目次

[1]納得できないまま終わった高校野球最後の試合
[2]先輩投手、同級生投手との接する時間が成長の糧になった

 2020年の高校野球界を牽引してきた明石商中森 俊介。最速151キロの速球に加えて、多彩な変化球を駆使し、相手打者を翻弄。完成度という尺度でみればナンバーワンと言ってもいい。

 10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議でも1位指名が有力視される中森だが、オフシーズンから現在にかけて目の前の課題と向き合い続けてきた。


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高校1年から騒がせた超高校級右腕・中森俊介の知られざるラストイヤーの取り組み【前編】

納得できないまま終わった高校野球最後の試合


 兵庫の独自大会で神戸第一に敗れてから9日後、中森は甲子園に向かい、高校野球最後の試合・桐生第一戦を迎えていた。
「大事な試合、ここ1番で勝てる投手になりたいと思っていたので、何としても勝ちたかった」と覚悟をもって甲子園のマウンドに上がった。

 この一戦、中森は最速150キロを計測するなど、9回投げて被安打5、奪三振9、与四死球4。平均球速は143.86キロ、1イニング平均して12.77球と数字も残した。

 試合は7回と9回に1点ずつを失ったものの、3対2で勝利し、高校野球最後の公式戦を勝利で飾ることが出来た。試合後の取材では、「今日はストレートを見せ球にして変化球で勝負することだったので、そこのスタイルが出来た」と夏の大会前に再認識した自分らしい投球が出来たことに及第点を与えた。

 一方で、「最終的には体力がばててしまいましたので、初回から9回まで安定した投球で切れを落とさずに投げきりたい」と課題を口にした。改めて桐生第一戦を振り返ってもらっても、それは変わりなかった。

「体力不足で完封ができませんでしたが、指先で納得できるボールが1つもありませんでした。2ストライクに追い込んでから見逃し三振を狙ったボールもかかりすぎて外れたり、逆に力んで浮いてしまったり。周りの人が見たら少しのミスかもしれませんが、自分はダメだと思いましたので、これからの課題です」

 また狭間善徳監督からも「完封をしていない」と言われてきたからこそ、最後の試合で達成できなかったことも悔やむ中森。では完封を成し遂げるために、どこが課題だと感じているのか。

「まずは9回しっかりと投げきれるスタミナです。あとはストレートです。変化球は完全とは言えませんが、ある程度コントロールできています。だからストレートのコントロールや切れ。回転といったところを意識したいと思っています」