目次

[1]元サイドスローというのを感じさせない小林誠司型ステップで超強肩捕手へ
[2]課題とした打撃も秋2本塁打を放ち、しっかりとアピール



 今年の大学生捕手は強肩揃いだが、その中でも密かに注目を浴びているのが、京都先端科学大の喜多 隆介(4年・小松大谷)だ。そのスローイングタイムの最速は1.77秒だ。投手から捕手へ転向したドラフト候補捕手は数多いが、喜多は他の転向組みの捕手と違うのはサイドスローだったということだ。打撃面も上昇中の掘り出し物といわれる男のストーリーを振り返る。

元サイドスローというのを感じさせない小林誠司型ステップで超強肩捕手へ


 小松市出身の喜多。投手人生は小学校3年から中学3年で右サイドとしてはコントロールを売りにするタイプだった。そして実家で自転車ですぐ通える小松大谷の進学を決断する。高校1年夏は星稜との逆転負けの試合をスタンドで見ていた。選手たちの中では打倒・星稜という気持ちが出ていたが、西野監督からはこう諭された。

「相手を意識するのではなく、自分たちの野球をすれば勝てると言う話を聞いて、相手を意識することはなくなりました」

 喜多は下級生まで一塁などでプレーしていたが、2年秋から本格的に捕手となった。
「僕の学年は捕手1人しかいなくて、その選手が怪我をしてしまって、僕に回ってきた感じです」

 しかし捕手経験もほとんどない。「キャッチング、スローイングなど捕手としての基本的な技術はまったくなかったので、最初は大変でした」と振り返る喜多。逆転負け時の正捕手で最終学年では主将を務めた下口 玲暢から付きっきりで教わり、練習を重ね、上達をしていった。

 冒頭の話を戻すと、それまで喜多はサイドスローの投手だったので、捕手だから上から投げないと思ったそうだ。ただ、「いざスローイングをやってみたら、サイドスローの方が投げやすかったんです。実際に上で投げろと言われなかったので、それが良かったと思います」

 最後の夏は3番キャッチャーとして出場。また敗れた星稜戦でマウンドに登り、135キロを計測。本人としては肩に自信はあるタイプではなかったと振り返るが、こうして球速として出たことに自信を深めていた。

 そして現在、チーフディレクターの坂根耕世前監督に誘われる形で当時の京都学園大に入学。
「声をかけられたのは2年冬ですが、自分は試合に出場したばかりですし、そんなオファーをもらう選手だとは思っていませんでした。迷わず行くことを決めました」

 喜多が捕手として磨きをかけてきたのはスローイングだった。スローイングで意識しているポイントについてこう語る。
「まず二塁ベースにめがけてしっかりと投げること。そして自分は上半身が突っ込む癖があったので、しっかりと下半身で投げることを大事にしています」

 ステップはいわゆる小林誠司型だ。

 「最近は甲斐拓也(ソフトバンク)選手のように左足を出す捕手が多いと思うのですが、あまりよい感触がなかったので、そのまま捕球と同時にそのままステップする感覚でやっています。小林誠司(巨人)選手と同じタイプだと思います。このスローイングは2年冬に、関西の大学生を対象に開催されたプロの研修会でプロの方にそのほうがいいと指導されたので、今に至っています」