目次

[1]「両投両打」は10年以上の経験値
[2]意識を高く持ち、目指すは初の「甲子園」

 高知中3年時に150キロ。現在は153キロに到達した森木 大智(高知3年)の出現により、にわかに注目が集まっている高知県の高校野球。そんな中「両投両打」で話題を集めようとしている選手がいる。土佐塾のエースナンバーを背負う寺田 啓悟(2年・169センチ65キロ)がその人。幼少期から貫いてきたオンリーワンの技は、土佐塾でますます磨きがかかっている。
 惜しくも10月10日の第72回秋季四国地区高等学校野球大会高知県予選準決勝で高知に敗れたが、彼はどのようにして「両投両打」を極めようとしているのか?9月19日の宿毛工戦を終えた寺田投手に聴いた。

「両投両打」は10年以上の経験値

 ――「両投両打」という大きな特徴を持つ土佐塾・寺田 啓悟投手ですが、そもそも両投両打をはじめたきっかけは?

寺田 啓吾投手(以下、寺田):ともと野球を始めた時は左投げだったんですが、父(義人さん)に勧められたのと内野手をする時に必要なので右投げ、そして両打ちもするようになったんです。そこからずっと両投両打です。父は高知西高校でハンドボールをプレーしていたんですが、ハンドボールも左投げをしておく方が有利ということもあって。そこで両投げを教えてもらいました。

 ――土佐塾中では3年秋・高知県選抜の一員として「第18回全国中学生都道府県対抗野球大会in伊豆」にも出場。森木 大智投手(高知中~高知2年)ともチームメイトでした。

寺田:実は森木とは小学校時代とは知り合いなんです。それもあって高知県選抜で一緒になった時も森木から「四刀流!」と言われていました(笑)
 彼は近くで見ていて身体能力は当時から凄かったんですが、自分が最終的にプロを目指す上では彼はライバル。今は全然及びませんが、高みを目指してやることの大切さを学びました。ライバル視できる選手が県内にいることはすごく刺激になっていますし、自分の特長である「両投両打」を強みにしたいと思います。

「「両投」のスタイルは変幻自在

 ――「両投両打」の難しさはどこにあるのですか?

寺田:筋肉バランスの保ち方が大変ですし、その日の状態を理解するのも大変です。すので準備の時間はすごくかけます。ですので遊撃手からリリーフに入った新人戦ブロック決勝・高知中央戦のように左投にかける時間がない時は右投げ一本にする時もあります。
 それと以前は右投手から左投手になった時、感覚のズレが起こってコントロールが定まらなかったんです。でも、新人戦初戦・岡豊戦では右投のみで球数を投げ過ぎた(9回180球4失点完投勝利)ので、新人戦準決勝の高知商戦では左投げも入れて球数を抑えられた(9回133球1失点完投勝利)のは収穫でした。今後はもっと左と右の球数を均等に近づけられるようにしたいですね。

 ――右投げと左投げとのスタイルには違いはあるのですか?

寺田:右投げでは最速138キロで変化球はカーブ・スライダー・チェンジアップ。左投げでは最速128キロで変化球はカーブとスライダーです。自分では右投手では山本 由伸さん(オリックス・バファローズ)、左では杉内 俊哉(元読売ジャイアンツなど)をイメージしていますね。

 ――宿毛工戦では左打者に右投げをしたり、右打者に左投げをあえて使うシーンもありました。

寺田:試合のスタートは勢いをチームに付けるために右投げから始めたんです。あと最初に左投げを使ったのは2回二死からの右打者なんですが、そこは「左投げもあるよ」ということを相手に示すため。1番の左打者には自分の左投げの状態を見て決めましたし、4番の右打者に対しては前の試合でホームランを打っていたので、右投げばかりではタイミングが合うと思ったので3巡目で左投げにしたんです。



両投げ用投手グラブを示す寺田 啓悟(土佐塾2年)

 ――ちなみに「両投げ」用の投手グラブはどのようになっているのですか?

寺田:6本指が入る形になっていますが、僕は右も左も中指を出して持ちます。今のグラブは高校入学の時に購入した2代目ですね。