目次

[1]転機となったボーイズ選抜の試合
[2]確実」に捕る、投げることを意識して、2秒を切るスローイングに

 今年のいなべ総合には2人の注目選手がいる。まずはエースで、最速146キロを誇る本格派右腕・伊東 邑航。そして高校通算30本塁打超、スローイングタイム1.8秒台の強肩を誇る田所 宗大である。179センチ85キロという恵まれた体格を生かす技術を3年間で身に着け、スーパーキャッチャ-とも言っていいスペックを持つようになった。

 田所はいなべ総合の3年間で、実力を培うことができたのか。

転機となったボーイズ選抜の試合


 小学校1年生から野球を始めた田所は同時期にレスリングも行っていた。小学校高学年のチームに加入する4年生まで行っていたが、レスリングの経験は田所の運動能力を培うことができた。
 「野球の技術は直接生きたということはないのですが、運動神経、バネの強さ、ジャンプ力はそういうのは培われたと思います」

 そして中学では三重の名門・桑員(そういん)ボーイズに入団する。しかしレベルの高い選手が多く、なかなかレギュラーを掴むことができなかった。
 「3年生まで代打要員でした。3年生のときに出た全国大会の時、たまたまけが人がいて、6番レフト、6番ライトで出場することができました」

 この時、田所は強豪校に進学できる選手だとは微塵も思っていない。多くの主力選手が強豪校の進学が決まる中、焦りはあった。その時、転機となったのは三重県のボーイズ選抜に選ばれたことだった。

 選抜に選ばれ、その後に登場した公式戦をタイミングよくいなべ総合の尾崎監督がみていたのだ。尾崎監督は当時の田所のどこに惹かれたのか。
 「やはり体の強さもあって、長打力もあって、将来の4番打者候補として面白いと思いました。捕手をやっていた経験もあったので、高校では捕手だなと考えていました」

 こうして尾崎監督に声をかけられ、3年秋にいなべ総合への進学が決まった田所。嬉しい気持ちを隠せなかった。
「繰り返すように、僕は3年春まで代打要員で、強豪校で続けられる選手だとは思っていなくて、まず全国大会に出場できたこと、選抜チームに選ばれたことも嬉しくて、そこで尾崎先生に声をかけられたことは嬉しかったですね。他の選手と比べて、だいぶ遅い時期なんですけど、強豪校進学が決まって本当に嬉しかったですね」

 そしていなべ総合では外野手ではなく、小学校以来の捕手としてプレーすることとなったが、すぐにレベルの高さを実感する。高校野球の捕手はここまで求められるものが多いのかと。
 「捕手をやっていた経験はありましたけど、高校野球の基準でいえば、僕のレベルは初心者みたいなものでした。バッテリーコーチの方がいて、その方に必死についていく感じでしたね」