アグレッシブな投球に注目!森柊太(武蔵狭山ボーイズ)は将来性豊かな137キロ右腕
2018年の日本選手権大会で準優勝を果たすなど、ボーイズリーグの強豪として名を鳴らす武蔵狭山ボーイズ。今年の3年生は下級生から実績を積む選手が多く、大会でも期待が持てると飯野靖典監督は口にする。
その中で投手陣の一角を担うのが、森柊太投手だ。最速137キロの切れのある直球だけでなく、多彩な変化球も持っており、何より攻める気持ちが非常に強い本格派右腕だ。体もまだ出来上がっていないため、将来性も非常に高く、これからの成長にも大きな期待が持てる。
そんな森投手に、これまでの成長や高校野球の目標を伺った。
熱量の高い練習に惹かれ武蔵狭山ボーイズに入団
森柊太(武蔵狭山ボーイズ)
183センチ・75キロと、中学生としては大きな体格を持つ森投手だが、小学校時代から周りよりも身長は高かったという。小学校卒業時にはすでに170センチを越えており、中学1年時もすでに176センチまで達していた。
また、幼い頃から野球以外のスポーツにも触れており、サッカーやバトミントンなど野球にはない体の動きを経験しながら小学校時代を過ごしてきた。
「本格的に野球を始めたのは小学校1年生の夏からで、他のスポーツも並行してやっていました。色んなスポーツをやる中で、野球が一番楽しいなと感じていましたし、一番結果が出ていたのも野球だったので、野球に絞りました」
中学校に入学すると、ボーイズリーグの強豪・武蔵狭山ボーイズに入団した森選手だが、決め手になったのは熱量の高い練習と飯野監督の情熱だった。
選手たちは高い意識を保ちながら練習に打ち込み、そしてそれを後押しすような飯野監督の熱く緻密な指導に心を打たれ、入団を決めたと森選手は振り返る。
森柊太(武蔵狭山ボーイズ)
「もう一つ別のチームと迷っていたのですが、、練習を見て一発で自分はここだなと思いました。監督からも絶対に入って欲しいと言っていただき、良い選手も集まっているからと聞いて、自分のレベルを上げるにはここだなと思いました」
入団直後は、全国の舞台で活躍を見せる先輩たちを前に圧倒されたと振り返るが、それでも1年生の秋頃からは徐々に登板の機会を掴みだす。
経験を積む中で自信をつけていき、また体の成長とともに球速もどんどん上がっていった。
急成長を見せる中で、森投手が「大きなき刺激になった」と話すのが、チームメイトの山内教輔投手の存在だ。山内投手の存在は入団前から聞いていたが、それでもチームのエースになるという強い思いを思って、武蔵狭山ボーイズに入団したと振り返る。
共に高めあっていける存在がいたことが、成長の大きな糧になったのだ。
「チームに入る前から、山内という良いピッチャーが入ると聞いていましたが、このチームに入ってエースになりたいとずっと思っていました。自信があったというよりも、やってやるという気持ちが強くて、山内とは切磋琢磨してこれたと思っています」
[page_break:打撃力の高さにも注目]打撃力の高さにも注目
森柊太(武蔵狭山ボーイズ)
そんな森選手だが、実は野手としてもレベルが高い。
チームでは5番打者を任されており、投手をやらないときは俊足を生かしてセンターを守る。飯野監督は、森選手の野手としての能力も高く評価している。
「バッティングでは、球場の中段くらいまで飛ばす力があり、中学通算でも10発くらい打っています。足も速い選手で守備範囲は広く、センターとしても中学生としてはトップクラスだと思います」
小学校まではバッティングはむしろ苦手で、「中学校では通用すると思っていなかった」と話す森選手。だが飯野監督をはじめ、多くのコーチから指導を受ける中で、徐々に打撃力も向上。
元々、感情が前に出過ぎるタイプで、フォームについても特に意識したことはなかった。しかし、武蔵狭山ボーイズでは打撃の基礎から教わり、また悪い癖も指摘してもらったことで確実性も一気に上がったという。
森柊太(武蔵狭山ボーイズ)
「具体的には、自分のは打つ時に体が伸び上がってしまう癖があり、確実性も低く打球も伸びがありませんでした。修正する方法も教えていただき、悪い癖も直すことができました」
森選手は、高校野球でも投打で活躍していきたいと意気込んでいる。投手としての憧れにはオリックス・バファローズの山本由伸投手を、そして打者としての憧れには東北楽天ゴールデンイーグルスの浅村栄斗選手を挙げ、少しでも近づいていきたいと高校での意気込みを語った。
「山本投手は色んな球種を持っていますし、その全ての精度が高くて本当にすごいなと思います。浅村選手はどんな時もフルスイングできるところがすごいと思っていて、自分も高校では強いスイングできるような選手になりたいなと思っています」
高校野球では甲子園優勝を果たし、高卒でのプロ入りを目指したいとその後の展望も語る森選手。伸びしろはまだまだ大きいだけに、今後成長にも注目だ。
(取材・文=栗崎祐太朗)
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