第1191回 古豪復活を誓う磐城に現れたクレバー型エース・沖政宗を変えた関西遠征【前編】2020年06月29日

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【目次】
[1]故障続きだった小、中学校の経験を乗り越えて大エースの土台を築いた体作り
[2]智辯学園戦の経験が投球スタイルを変えた

 8月に開催される交流試合。中京大中京大阪桐蔭といった私学の強豪校に注目が集まるが、21世紀枠の戦いぶりも見逃せない。43年ぶりの甲子園出場を決めていた磐城沖 政宗にも注目だ。滑らかな投球フォームから繰り出す最速141キロのストレート、6種類の変化球を操り、昨秋は9試合を投げて、防御率0.90と抜群の好成績を残した。

 全国的に見ても好投手に入るだろう。研究心豊かな右腕の軌跡に迫る。

故障続きだった小、中学校の経験を乗り越えて大エースの土台を築いた体作り



沖政宗(磐城)

 小学校3年生(いわき市立平第三小)から野球を始め、そのまま地元の小名浜少年野球教室に入団する。このチームには後に山梨学院の正遊撃手で活躍する小吹 悠人がいた。小吹は小学校6年になると、全国レベルのエースへ成長。沖は小吹とバッテリーを組み、正捕手となり、キャプテンに就任した。そして同時期に東北楽天ジュニアのセレクションに合格し、2014年のジュニアトーナメントに出場。そこでプレーできたことは大きな経験だった。

 「まず小吹はストレートはとんでもなく速く、なかなか当たらない投手でしたし、他でも各地域の代表選手ともいっていい選手が参加していたので、そういう選手たちとプレーできたことは良い刺激となりました」

 いわき市立第三中学校では、中学の野球部に所属せず、いわきシニアに所属する。そこでは捕手ではなく、主に遊撃手としてプレー。進学先は私学も考えたが、ふとしたきっかけで地元の磐城高校のプレーに目を奪われる。
 「実は磐城高校の選手や県立校の選手についてはあまり知らなったんです。どうしても知るのは強豪校の選手たちでした。それでも公立校の方々が有名校のチームに死にものぐるいでぶつかっている姿に感動を受けたんです」

 磐城の戦いぶりに感銘を受けた沖は、野球だけではなく、勉強も両立したい考えがあり、まさにドンピシャの条件に当てはまった磐城高校を受験し、合格。入学が決まった。

 2年秋からエースとして活躍した沖だが、それまで怪我との戦いだった。小中学校で肘の剥離骨折を繰り返し、高校でもアピールしたいがためにがむしゃらに投げて、故障をしていた。

 故障に強い投手にしようとサポートしてくれたのが木村保前監督をはじめとしたスタッフ陣だった。食事のバランスに気を遣い、色々なメニューを食べることを工夫した。その結果、ただ身体が多くなったことだけではなく、重大な故障を負うこともなくなった。

 また、木村前監督からも状態を配慮してもらいながら、登板を重ねた。
 「怪我を考慮しながら使っていただき、保先生にはとても感謝しています」と段階的な調整によって、投手としての素質を伸ばすことができた。

 体作りにもトレーニングにも力を入れ、「1年生の冬は誰よりも走った記憶があります」と中学時代よりも充実してトレーニングを積むことができた。

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