目次

[1]危機感をもって始まり、優勝を経験して終えたプロ1年目
[2]スタートで出遅れ、苦しさを味わった2年目


 オリックス・山本 由伸都城出身)、西武・今井 達也作新学院出身)など楽しみな投手が揃う1998年世代。その中で独立リーグを経由してプロ入りしたのが伊藤 翔横芝敬愛出身)だ。

 高校時代は横芝敬愛で3年間プレーするも、最高成績は2年生の夏の千葉大会の4回戦。甲子園に進めぬまま高校野球を終えたが、卒業後に進んだ四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスで才能を開花。

 先発ローテーションの一角として1年間活躍し、独立日本一を経験。2017年のドラフトで埼玉西武ライオンズに3位指名を受けて、晴れてプロ入りすると、1年目から1軍デビューを果たし、中継ぎとしてチームの優勝に貢献した。

 しかし2年目はプロの壁にぶつかり、勝負の3年目となる。苦楽を知った20歳の右腕の今に迫った。

危機感をもって始まり、優勝を経験して終えたプロ1年目


 キャンプではA班入り、そして開幕一軍を勝ち取るほどアピールを続けた伊藤だが、レベルの高さを肌で感じていた。

「プロに入ってすべてを磨きました。ストレート、変化球すべてです。バッターのレベルも違いますし、本当にルーキーの時はA班(1軍)スタートから始まって、周りの投手陣を間近で見ててそのレベルに達していないのを肌で感じて『このままじゃ絶対にダメだと』と思いましたので、1から全部を鍛え直しました」

 プロに入った投手ならば誰もが感じる壁。それでも独立リーグ時代から継続してきたキャッチボールを大事にしてきた。

「キャッチボールはとても大事で、質の良いボールを投げるために、短い距離のキャッチボールを重視しています。
 遠投も大事ですが投手は決められた距離(18.44メートル)を投げますからそこだけでもちゃんとしていれば分かることがあります。キャッチボールは平坦な場所、傾斜な場所で投げるようにします。平地でも、傾斜でも分かることがありますので、キャッチボールで現在の調子が確認する上でも行っています」

 伊藤の最大の長所は再現性の高さ。20歳ながら完成度の高い投球で開幕一軍入りを果たすと、4月11日の埼玉西武戦で一軍初登板。8月29日の東北楽天戦では中継ぎとしてプロ初勝利を達成した。

 30日も連日の勝利投手。10月3日は千葉ロッテ戦で先発初勝利を挙げた。独立リーグからプロ入りした選手としては上出来の内容だ。1年目をこう振り返る。

 「正直嬉しかった気持ちもあります。中継ぎで転がってきた勝利でもあったので、入団してから先発している中で、中継ぎではありましたが勝てたのは嬉しかったです。けど、心のどこかで先発で勝ちたかったと思っていたので、10月にゲームを作って勝てたのは嬉しかったですね」

 またプロ1年目にリーグ優勝を味わう。独立リーグに続いて2年連続で優勝を経験した。

 「優勝の雰囲気を味わえるものではないので、1年目で味わえたのは嬉しかったですし、『プロ野球で優勝するのは凄いんだな』と思いました」

 プロ1年目は16試合を投げ、3勝0敗、防御率2.73と好成績を残し、年俸も220万アップの820万。翌年に期待をもたせた。

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