目次

[1]怪我があったからこそさらに進化ができた
[2]徳山のフォーム改造に迫る!


 今年の大学3年生の投手の中で、トップレベルの実力を持ったのが徳山 壮磨大阪桐蔭-早稲田大)といっていいだろう。

 昨秋のリーグ戦で、5試合に登板して、3勝1敗、36イニングを投げて32奪三振、防御率1.50の好成績を残し、さらに日本代表候補に選出されていた。常時140キロ後半、最速151キロのストレート、140キロ近い高速スライダーと抜群の精度を誇り、リーグ戦通算4勝だが、その勝ち星以上に高く評価をされている徳山の成長に迫ると、フォームを具体的に落とし込んでレベルアップしていることが分かった。

 動画を見ながらフォーム改造術を見てほしい。

徳山投手の大学1年生時のインタビューはこちらから!
徳山壮磨(大阪桐蔭ー早稲田大学)「大阪桐蔭のエースへ。努力を継続した3年間」


怪我があったからこそさらに進化ができた


 取材当日、小宮山悟監督にドラフト候補の選手に評価を聞くと、長所は語りながらも、全体的に厳しい。その中で終始、高評価をしていたのが、徳山だった。

「あいつ(徳山)は腹が据わっているので、ジタバタしない。腹の据わり方は抜群で、何も言うことはない。ドラフト的なことでいえば、1年後は大騒ぎされる投手だと思います」
度胸、能力ともに抜群の評価。ここまで順調にいっているのは1年春のリーグ戦後から2年秋までの完全復帰するまでの過程が素晴らしかったからだ。

 1年春、リーグ戦デビューし、6試合に登板し、15イニングを投げ、15奪三振。防御率1.20と好成績を残した。1年秋はさらなる活躍が期待されたが、リーグ戦直後にアクシデントが起こる。
「リーグ戦が終わって1週間の休みがあったんですけど、少し肩の違和感があったんです。休みが明けてキャッチボールしたら、全然投げられないんです。病院にいってみたら、肩を痛めていることが分かりました」

 肩を治しても、投げ始めたら痛める。その繰り返しだった。その時、福岡ソフトバンク・和田毅(浜田出身)の専属トレーナーで、また早稲田大のトレーナーを務める土橋恵秀氏とタッグを組み、リハビリを行い、肩を治した徳山は、2018年12月に監督に就任した小宮山悟監督と相談しながら、完全復帰計画を話し合った。小宮山監督は徳山の1年春から、実力をチェックをしており、「素晴らしい投手」と評価をしていた。
 小宮山監督は徳山を無理させず、2年春はリリーフ限定の起用を決め、9イニング登板。そして、2年秋から先発投手として完全復帰。

 自己最多の36イニングを投げ、自責点5と第二のエースとして大活躍。ストレートの最速も151キロに達し、大きな成長を見せたシーズンとなった。

 徳山は自身の状態を配慮しながら起用いただいた小宮山監督に感謝していた。
「監督さんはもともと投手ということもありますが、『今日はここまでにするか』など自分たちの体調を気遣ってくれて、球数制限もしていただけるので、非常に感謝しています」

 早稲田大に入ってトレーニングに対する意識も高まった。
「正直、高校時代は知識もない状態で、筋力トレーニングなどを一生懸命やっている感じだったと思います。ただ大学に入って、トレーニングの考え方が大きく変わりました」

 大学に入って重点的に取り組んでいるのが、体幹トレーニングだ。早稲田大のグラウンドを見ると、走ったり、メディシンボールや棒を使ったり、体幹、肩甲骨など投手として大事な機能を鍛えるトレーニングをしている投手が多い。

 徳山は早稲田大の1年間で得られたことをこう語る。

「大学に入って圧倒的に体幹トレーニングの割合が増えました。ただトレーニングするだけではなく、そのトレーニングはどこが鍛えられるのかを考えるようになったことです。早稲田大学にきてよかったと思うことは一つ一つのトレーニングをさらに意味を持ってできるようになったことです」