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第1141回 二度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭の主将・中川卓也(早稲田大)が濃密な3年間で得たもの2020年03月30日
【目次】
[1]練習の雰囲気1つ意識するだけで、成果は天と地の差の違い
[2]日々、選手のために行動する西谷監督の想いに応えたかった
2018年、史上初の二度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭。主将としてチームを引っ張ったのが中川 卓也である。早稲田大で入学してからもレギュラーとして活躍した中川は大阪桐蔭の3年間を「人間的に大きく成長した期間」と振り返る。今回は前編で高校時代、後編では大学時代の取り組みと今後の決意を語った。
練習の雰囲気1つ意識するだけで、成果は天と地の差の違い

高校時代の中川卓也
早稲田大の練習の雰囲気は黙々としており、とても緊張感がある。罵声が飛ぶ場所ではないが、少しでも緩んだ雰囲気があれば、元ロッテの小宮山悟監督から厳しい指摘が飛ぶ。そういう中で、中川 卓也は自分のペースで、練習ができていて、どことなく余裕が感じられる。
「大阪桐蔭で学んだことは取り組み方、取り組む姿勢です。大阪桐蔭の3年間は早稲田大に入って改めて生きていると実感します」
毎年、早稲田大は全国クラスの強豪校、進学校、早稲田系列の選手など毎年40名~50名の選手が入部する。選手たちの体つき、身のこなしを見ても、新入生でも意識の違い、身体つき、技術レベルが一目瞭然で分かる。小宮山悟監督は改めて選手に意志を確認する。大学野球で終えたいか、社会人に行きたいか、プロに行きたいか。プロに行きたい選手に対しては一段と厳しく接する。
「プロというのは1球に対する執着心が違いますよね。少しの凡ミスが首につながるものなんです。 とはいってもプロと学生ではどうしても差がでてしまうものなのですが、それでも私は意識レベルはプロレベルを求めていきたいんです。それは能力的に無理なことを要求しているのではなく、起きた瞬間から野球のことだけ真剣に考えてやっていればできることなので」
早稲田大に入る選手はプロ志望をする選手も多い。だが周囲のレベルの高さ、要求レベルの高さ、環境の違いに圧倒されて、自信とモチベーションを失う事が多い。それでもフェードダウンせず、前向きに取り組めるかは高校時代から目的意識を持って練習をできていたかが重要だ。

練習中の中川卓也
そういう意味で中川は大きなアドバンテージがある。史上初の二度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭の主将であり、あの強力チームを形作った中心人物だからだ。高校時代、中川は練習の雰囲気を大事にしていた。
「雰囲気はとても大事だと思うので、雰囲気の1つで、内容の濃さは天と地の差ではないですけど、内容は変わってくる。雰囲気というのは自分もこだわっていました」
中川だけではなく、大阪桐蔭出身で、中川の1年先輩・徳山 壮磨(早大3年)も「本当に大阪桐蔭の練習は張り詰めた雰囲気でした。部員同士でプレッシャーをかけあうので、常にピリピリしていましたね」と振り返る。
もちろんそういう練習の雰囲気の中でも意識が低い選手はいる。中川は「そういう選手に対して厳しく言い続けていました」と引き締めは忘れなかった。
同級生に対してこれほど厳しく物言いできるようになったのは、ただ甲子園で優勝したいという気持ちだけではなかった。西谷浩一監督の存在がきっかけだ。
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- 中川卓也(なかがわ・たくや)
- 大阪桐蔭-早稲田大
- ポジション:三塁手
- 身長・体重 175センチ75キロ
- 投打:右投げ左打ち