目次

[1]想像以上だった大阪桐蔭戦の快投
[2]まず足元を見て確固たる技術、メンタルを身に着ける

 193センチの大型右腕・達 孝太。この男が一躍注目されたのは、昨秋の近畿大会決勝戦だった。果たして、この男の今後の目標とは。

想像以上だった大阪桐蔭戦の快投



193センチの大型右腕・達 孝太

 11月4日、近畿大会決勝 大阪桐蔭戦。達が一気に注目を浴びた試合だった。193センチの長身から140キロ前後の速球、切れのあるスライダー、カーブ、フォークを投げ分け、7回まで1失点。8回に集中打を浴び、降板をしたものの、全国トップレベルの大阪桐蔭打線に抑え込んだ投球は大きなインパクトがあった。

 達は「高校入学して一番楽しかった試合でした」と笑顔で振り返る。この快投劇は送り出した中村監督にとっても「予想以上の言葉をはるかに超えるものでした。多少失点してもまあ試合を作ってくれば良いかなと思っていましたから」と驚きを見せていた。

 この快投を機に2021年度のドラフト候補として覚えられる存在となった達。小学校のときから身長は高く、小学校6年生で178センチ。泉州堺阪ボーイズでは投手と一塁手を兼任。球速は130キロほどで、まずまずの能力を持っていたが、超中学級の能力を持っているわけではなかった。

 そんな達が天理に進むきっかけは中学2年生の時、天理が甲子園ベスト4に進んだ試合を見たことにある。
「なぜかわからないですけど、天理の魅力を感じてしまったんです」

 それから天理に誘いがあった達は迷わず進学を決める。入学してからは中学時代に取り組まなかったウエイトトレーニングなど集中的に取り組み、みるみる球速を伸ばしていく。ただ立場としては3番手。右腕の庭野 夢叶、左腕・吉岡大誓の2人が中心で、登板機会は全くなかった。そんな達にチャンスが巡ってきたのは近畿大会決勝戦だ。

 

 中村監督は「前日に伝えて緊張しまくっても仕方ないので、先発を言い渡したのは当日で、メンバーを交換する前ぐらいだったかなと思います。ちょうど達と捕手がいたので、2人を呼んで、先発だからと伝えたんです。あと打たれると思っていたので、『心配するな。大阪桐蔭だから』と思っていましたね」

 達も当然抑えられる相手だと思っていなかった。ところが、「この日はフォークが非常に良かった」とフォークを軸に次々と大阪桐蔭の強打者を打ち取っていく。結果的に8回まで投げて4失点。試合を作るどころか、勝利投手になったのだ。

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