目次

[1]打撃を開花させたノーステップ打法
[2]神宮大会不振も成長のきっかけにしたい

神宮大会不振も成長のきっかけにしたい



ガッツポーズをする中山礼都(中京大中京)

 そして秋でも高い技術を発揮し、公式戦で33打点を挙げる。しかし内容には満足していない。特に決勝戦まで安打が出なかった明治神宮大会では、悔しい思いをした。
「自分では手打ちにならないように意識していたはずなのですが...。知らずのうち技術的に狂いが出ていたと思います」

 だが、決勝戦では中山らしい活躍を見せた。準決勝を終えて、
「技術面を全く変えていません。あのときは打たないと、打たないといけない気持ちがかなり出てしまったため、まずは自分のスイングをして臨もうと思いました」

 1打席目は良い当たりの左飛。この打球で中山は復調の手応えを感じていた。

「良い打球でした。逆方向に打球が伸びるのは、僕の調子が良い証拠なので、いける手ごたえがありました」
 そして第2打席は右中間を破る適時三塁打で勝ち越しに成功。三塁ベースに辿り着いた瞬間、中山は満面の笑みでガッツポーズを見せた。

 第3打席はヘッドを残したまま、低めの変化球についていき、中前安打。マルチヒットを記録し、ドラフト候補の片鱗を見せた。

 2安打しか打てなかったが、高橋源一郎監督は「逆に良かったと思います。変に打てて勝よりも逆に悔しさを感じながら終えたほうが冬の練習につながると思いました」と残念がることはなく、中山も「良い期間だったと思います」と前向きにとらえている。

 この冬はもう一度、攻守の技術の見直してきた。そして年末の進路相談では高卒プロを希望に挙げた。
「小さい時からプロ野球の世界に入って、野球をするのが、夢でした。全国大会で結果を残して夢をかなえたいと思っています」そして、選抜へ向けてこう意気込んだ。
「昨秋は自分たちで結果を残して、よい形できていると思います。ほかの高校は自分を倒そうと思っているので、受け身にならず、積極的にいって、チームが勝つことを一番に考えて、プレーしていきたいと思います」

 この選抜で世代トップクラスのショートストップを印象付ける活躍を見せる。


(記事=河嶋 宗一

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