三拍子揃ったプレースタイルが武器の荒木颯太(熊本泗水ボーイズ) 小園海斗を目標に春から報徳学園へ
熊本泗水ボーイズで、星子天真と並んで逸材と称されていたのが荒木颯太だ。
小学校時代はソフトバンクホークスジュニアに選出され、熊本泗水ボーイズでは3番・遊撃手として活躍。また各地区の選抜チームが優勝を争う鶴岡一人記念大会では、中九州代表に選出されて、主将としてチームを牽引する活躍を見せた。
そんな荒木に中学野球を振り返って頂き、そして高校野球での目標も伺った。
星子を追いかけて熊本泗水ボーイズに入団
荒木颯太(熊本泗水ボーイズ)
小学校1年生から、玉東町少年野球クラブで野球を始めた荒木。きっかけは3歳年上の兄・翔太の影響だった。
2019年ドラフト会議でソフトバンクホークスに育成6位指名を受けた兄・荒木翔太(千原台出身)は、幼いころから憧れの存在であった。兄の背中を目標に努力を重ね、荒木も少しずつ上達していったと振り返る。
「兄の姿をずっと見てやってきましたね。
チームは人数が少なかったので、色んなポジションを経験しました。今はショートを守っていますが、小学校の時はピッチャーやキャッチャーも経験して、様々な経験をさせてもらいました」
学年が上がるにつれて、チームの中心選手へと成長していった荒木は、小学校6年時にソフトバンクホークスジュニアに選抜される。
当時、監督だったのはソフトバンクホークスなどで投手として活躍した馬原孝浩氏。荒木は、技術面だけでなく野球と向き合う心構えの面でも多くのことを学んだと振り返る。
「挨拶や礼儀の部分でたくさん教えていただきました。また『九州から選ばれた選手だから、技術はあるので自信を持ってプレーして来い』と声を掛けていただき、それが凄く自信になったのを覚えています」
またソフトバンクホークスジュニアでは、大きな出会いもあった。後に、熊本泗水ボーイズで一緒にプレーすることになる星子天真だ。
星子のプレーを目の当たりにして、「すごい奴がいるなと驚いた」と振り返る荒木。星子が熊本泗水ボーイズに入団するつもりであると聞くと、「同じチームでプレーしたい」と荒木も熊本泗水ボーイズに入団することを決意する。
「住んでいる玉名市からは1時間くらいかかりますが、天真から学ぶことがたくさんあるなと思いました。
でも追いかけて行ったところもありますが、ライバル心もあります。天真に負けじと頑張りましたね」
小園海斗選手のような走攻守が揃ったプレイヤーに
荒木颯太(熊本泗水ボーイズ)
熊本泗水ボーイズ入団後は、星子と同じ内野手として切磋琢磨していき、3年時には二遊間コンビとして活躍した荒木。鶴岡一人記念大会で九州代表に選出されるなど、中学野球で確かな実績を残したが、チームを率いる松崎秀昭監督は、荒木の良さについて次のように語る。
「荒木君は身体能力が高い選手です。肩も強いし、足も速いし、野球もよく知ってる。本当に走攻守が揃っている選手です。星子に引っ張られて入ってきましたが、いつもベッタリという感じではなく、ライバルとして負けないように頑張っていますね」
だが、その一方で課題もある。星子は自らのプレーだけではなく、周りにも気を遣うことができる視野の広い選手であったが、荒木はまだ自分のプレーでだけで精一杯で視野を広く持てないところがある。
高校野球ではチーム全体を見渡せる選手になり、星子にも負けないプレーヤーになりたいと荒木は強い意気込みを語る。
「自分に足りないのは視野が狭いところだと思います。そのせいで次のプレイへの意識がまだ弱いと思うので、高校では切り替えの早さだったり、周りを見ることができるように意識してやっていきたいと思います」
そんな荒木には、憧れの選手がいる。広島東洋カープの小園海斗選手だ。
報徳学園時代の走攻守の3拍子が揃ったプレースタイルは、荒木の心を強く惹きつけ、小園選手のようなプレーヤーを目指したいと目標を語る。
「プレースタイルがとにかくカッコよかったですね。
守備範囲がとても広くて肩が強いのが魅力的で、小園選手のような走攻守が揃ったプレイヤーになりたいと思います」
高校野球では、小園選手の背中を追いかけ報徳学園に進学予定だ。小園選手と同じ報徳学園に進みたいという強い思いが、縁を引き寄せ合格を掴んだのだ。
荒木がこれからどんな成長を描くのか注目していきたい。
(取材=栗崎 祐太朗)
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