福岡の隠し玉!181cmの長身左腕・杉山廉仁(沖学園)に注目せよ!
沖学園の杉山廉仁(れんと)、スムーズで綺麗なフォームから角度のある球を投げ込む好左腕である。福岡県内の高校野球ファンでもピンとこない名前かもしれない。それもそのはず、杉山が成長を見せているのは、秋季大会終了後からなのである。まさに夏に向けた、隠れた逸材と言って良いだろう。今回は成長株の杉山廉仁にフォーカスする。
可能性を伸ばすために抜擢された統括部長
杉山廉仁(沖学園)
ガッチリした体格で、練習中でもひと際目につくのが身長181cm 79kgの杉山である。杉山が野球部で任されているポジションが統括部長である。
なかなか聞き慣れないポジションである。このポジションについて鬼塚佳幸監督はこのように話す。
「キャプテンと副キャプテンが2人いてその上に統括部長がいる」
キャプテンの上に位置するユニークなポジションになる。もちろん職務もキャプテンとはことなる。勝利や技術という点に焦点を当てるのでなく、あくまでも俯瞰した目で全体を見る役割を担う。統括部長という役職について鬼塚監督はこのように述べている。
「例えば練習以外の時、部室だとか学校生活でも気を配りなさい。例えば授業態度がよくないとか、そういうこともよく見なさいと。それを見たうえで週末の練習試合のメンバーを選ぶように」
まさに、全体に対する「気配り・心配り」が必要とされるボジションなのである。
前列・真ん中で選手を引っ張る、杉山廉仁(沖学園)
この抜擢について鬼塚監督は話す。
「そういう立場になってからですかね、特に一生懸命自分自身もちゃんとやらないといけない。メンバーを選ばないといけない。人を選ぶわけじゃないですか、自分自身もちゃんとやらなければいけない。練習も一生懸命もちろんやる」
立場が人を作ることがある。まさに杉山を抜擢した意味はそこにある。もちろん、杉山ならこの統括部長という職務を全うできるという信頼もあるのだろう。
こうして「気配り・心配り」が必要なポジションに杉山を配置したことで、杉山の選手としてのポテンシャルを引き出す可能性が更に上がったことになる。なぜなら、「気配り・心配り」できる力は野球にも生かされるからであす。小さなことへの気づきであったり、自身で理由を考える癖など、どれも野球に活かせるスキルである。
こう考えると、秋の大会終了後から一気に成長した杉山の秘密が分かる。その1つは、杉山が「気配り・心配り」が必要とされう統括部長を務めることができる素地があったこと。そして杉山が期待に応えこの無形の力を手に入れたことにある。
[page_break:球種が増えたことでバリエーションが増えた投球]球種が増えたことでバリエーションが増えた投球
杉山廉仁(沖学園)
もう1つ、杉山廉仁の成長の秘密は球種が増えたこともあるだろう。もともとコントロールの良い杉山が球種を増やしたことで、投球にバリエーションが出てきた。
鬼塚監督は、
「11月中のオープン戦(紅白戦)は勝ち頭になりましたね。球種が増えて、それから投球の幅が広がっていって、勝てるようになった。面白いようにアウトが取れるようになったというのはある」と杉山の変化を話してくれた。
もちろん、球種が増えただけで一気に上達したわけではない、そのための下地が杉山にはあったのだろう。その下地こそが「気配り・心配り」である。細かい点に気が付ける力があったからこそ、球種が増えたときに一気ブレークすることが出来たのだろう。
この冬、杉山はさらなる成長を試みている。
「今は球速を上げることを目標にやっていて、上げるために体重を増やすことをやってきています。80kgを超すことが目標です。球速は135キロ以上常時投げられることです」
杉山はもちろんこの目標に対して着実に近づいている、体重も目標値まで後1kgまで迫っている。常時135キロ以上出るようになれば、コントロールが良く、インコースにも強気で投げ込む事ができる杉山だけに大化けする可能性を秘めている。沖学園は、まさに投手の柱を手にすることになる。
まだ誰も知らない福岡の隠し玉・杉山廉仁が名実ともに福岡の逸材と言われる日を楽しみに待ちたい。
(記事=田中 実)
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