目次

[1]同級生投手の存在によりリード面でも成長
[2]大きな刺激を受け、人生を変えたU-18代表選手の経験

 2019年、二季連続甲子園ベスト4入りの明石商。全国6勝を導いたのは、正捕手の水上 桂だ。2番打者として長打と粘り打ちを兼備した嫌らしい打撃で存在感を示し、そして1.9秒台の正確なスローイング、相手打者の弱点を徹底的についたインサイドワークなど捕手としての力量は高く評価され、侍ジャパンU18代表にも選出され、ワールドカップでは本塁打も放ち、評価を大きく上げた。

 後編では甲子園、国際大会の活躍を振り返っていただき、そして最後にプロ入りへの思い、目標を聞いた。


(インタビューの様子を動画で見る)

前編はこちらから!
明石商を二季連続甲子園ベスト4に導いた水上桂が名捕手になるまで

同級生投手の存在によりリード面でも成長


 そして迎えた3年春の選抜では国士舘大分智辯和歌山を破り、同校初のベスト4進出。エースの中森 俊介の持ち味をしっかりと引き出す好リードが光った。
 「まず2年生の夏で初戦で負けてしまったので、初戦に勝って校歌を歌いたかったので、その目標も達成できましたし、そして2016年のセンバツで吉高 壯さん(日体大)がいた時のセンバツベスト8を超えようとチームのみんなで話していたので、それを乗り越えることができてうれしかったです」

 また、センバツで収穫になったことと課題になったことも明確になった。
 「捕手をしていると、試合になった喜びが人一倍です。自分が出した配球で抑えられると、喜びが大きくなるので、それが捕手をやっているうえで、一番の楽しみです。ただ準決勝で東邦に負けた試合を振り返ると、送球ミスで負けてしまったのは自分の反省点でした」

 捕手としてのスキルを磨くためにプロ野球選手の動画を見ながらキャッチング、スローイングを磨く日々。また選抜以降、中森が不調の間、左サイドの杉戸 理斗など多くの投手が成長。

 特に急成長を見せた杉戸の存在は水上の捕手として能力を大きく伸ばす上で欠かせなかった。
 「中森の場合、ストレートに力がある投手なので、力で押せばある程度抑えられるんですけど、杉戸の場合、ストレートだけで押してしまうと、打たれてしまうので、コーナーを突いたりしていろいろと考えながら抑えることができました。杉戸のおかげで勝てた試合は多くありました」

 そういう中、甲子園に出場。そして甲子園初戦の花咲徳栄戦では甲子園初ホームランを放つ。「人生で一番の当たりでしたね」と笑顔で見せた水上。本塁打の要因について2番打者の立場だからこそ出たものだと語る。
 「自分は来田(涼斗)の次を打つのですが、どうしてもみんな来田をマークするので、どうしてもマークが甘くなるので、そこを狙っています。あの本塁打の場面は来田が二塁打を打ったので、返したいと思っていたので、長打を狙っていた場面でした。ただあの本塁打は風も上手く乗ってくれたと思います」

 その後、二季連続でベスト4まで勝ち上がったが、履正社に敗れ、準決勝敗退となった。
 「あの試合は、中森がよく投げてくれたんですけど、僕たち3年生が守備で助けられなかったことに申し訳なく思います」と悔やんだ。