Interview

埼玉西武期待の若手右腕・國場翼(具志川高校出身)が振り返るプロ初勝利。そしてプロに進んで気づいた投手として大事なこと【後編】

2020.01.15

 昨年、ファームで4勝し、一軍で15試合に登板。9月のロッテ戦では、延長10回に登板しプロ初勝利と初のお立ち台に登った國場翼投手(具志川高校出身)。前編では最後の夏の思い出を語っていただきましたが、後編ではプロ初勝利のエピソード、成長するために大事なことを語っていただきました。

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けがで秋、春は未登板。プロへいく道を切り開いた最後の夏 國場 翼(埼玉西武ライオンズ)【前編】

今でも思い出深いプロ初勝利

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國場翼(埼玉西武ライオンズ)

 プロ入りして國場が一番輝いたのが9月14日の千葉ロッテ戦(メットライフドーム)だっただろう。同郷の後輩・平良海馬(八重山商工出身)が中継ぎで登板すると、先輩・山川穂高(にも一打が出る。だが3-1でリードした9回、ベンチから満を持して送ったはずの増田達至柳学園出身)が打たれる。

國場 同点になって、延長になって『國場!行くぞ!』と。優勝争いしている中で指名してくれた。大事なところで投げさせてもらえる。もうそれだけで嬉しかった。ベンチからの期待に、最高の気合が入りました。

――ヒーローインタビューでも『前日打たれた中村(奨吾)さん。絶対抑えるとの気持ちで投げました。』と

國場 マイナスなイメージは一切ありませんでした。絶対抑えるんだと。

 ベンチからの期待に応えゼロで抑えた國場。その裏、メヒアのサヨナラタイムリーが出て人生初のお立ち台に登った。その夜は福岡ソフトバンクホークスも勝ち、一位返り咲きはならなかったが、その後埼玉西武ライオンズは見事リーグ優勝を果たしたのだった。

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野球が大好きで1つの練習にこだわりを持てば道は切り開くことができる

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軽快な守りを見せる國場

―― 日々のトレーニング、ピッチングなどにいそしみながら、甲子園はもちろんプロを目指す高校球児たちは多い。そんな彼らに、國場投手から伝えられることがあればメッセージをお願いします。

國場 トレーニングですが、高校球児たちにありがちなのが、ガンガンやることでしょうか。負荷をかけてがむしゃらにやる。それ自体悪くは無い。だが、スクワット一つとっても、地面を踏む、身体を連動させるなど。意識を持ってやると全然変わってきます。

 また、どこをどう鍛えたらピッチングに繋がるのか。どうしたらバッティングに繋がるのか。常に考えてやると、そのトレーニングはもっと活きてくると思います。

 さらにピッチング練習についてもアドバイスをいただいた。

國場 ピッチング練習も、常に試合を想定して投げることは前提です。

 この日、東浜投手がマウンドに上がってピッチング練習したとき、「最後3球!内と、外二つ行きます!」とキャッチャーに伝えた。その最後の1球。「カウント3-2。外、ベースをかするような球。」

そこに構えたキャッチャーのミットは、見事に少しも動かなかった。
 例えば今日は投げ込み70球しよう!とブルペンに入る高校生がいたとする。でもその70球全てを、試合を想定して投げている高校生は多くはない。70球は集中力が続かない?なら30球でもいいのだ。

國場 今日は真っ直ぐだけを投げる。次の日は変化球だけ。そういうのが身体に染み込むと思っています。。

 ブルペンに入ると、殆どの投手が全ての球種を投げて確かめる。それは試合前で結構。日々の練習では、ストレートそして変化球を思い通り投げるために、自分なりの感覚をしみこませるためであり、日々の投げ込みは意識をもって行わなければその感覚は身につかない。

 

 プロを目指す球児たちへ。國場投手からの、二つの言葉を送って締めたい。

國場 プロになりたいなら、野球が大好きなら、続けるべきです。皆さんの努力は、必ず誰かが見ています。そして投手なら。いつでもどこでも、常に考えてピッチングすることが大切だと思います。

 國場投手がプロを強く意識したのは大学。もし高校で野球を諦めていたなら。今の國場投手は無い。またプロに入ったからこそ、それまでより更に考える機会が増えた。その少しでも、高校生だった当時の自分が出来ていたなら。そう思うからこその、球児たちへ向けた二つのメッセージだ。

 常に考えて投げる。それが出来る選手こそが、本当のピッチャーになれるのだ。

(取材=當山雅通

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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