第1098回 ドラ1を現実化へ。世代を代表するスラッガー・来田涼斗(明石商)の課題2020年01月03日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]来田の欠点克服のために取り組んだノーステップ打法
[2]ドラ1を現実化するための課題


 2020年の世代を代表するスラッガーといえば、来田 涼斗明石商)の名前がまず浮かぶ。

 2019年の全国での活躍は素晴らしいものがあった。選抜準々決勝の智辯和歌山戦では先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打、選手権準決勝の履正社戦で先頭打者本塁打。甲子園での活躍が評価、注目度を高め、今ではスカウトからも高く評価されているという。

 そんな来田は2019年以上の活躍を見せるためにどんな課題をおいて練習に取り組んでいるのか、話を聞いた。

来田の欠点克服のために取り組んだノーステップ打法



来田涼斗(明石商)

 来田の評価について狭間善徳監督について聞くと、さっそく狭間節が飛んだ。
 「あいつは普段は打たないのに、甲子園で打つ。だからプロ、プロという声が聞かれる。何がプロや」

 このコメントはある意味、来田の本質を現したものといえる。甲子園という大舞台で打てる勝負強さ、スター性を評価しつつも、安定した結果を残せていない要因である技術的な課題を解消できなければ、プロでも厳しいという話をしているのだ。そういうこともあっての厳しいコメントだろう。

 来田はもちろん、この1年間のパフォーマンスについて、満足していない。
 「県大会では全然打てないですし、先輩たちに助けられた1年だったと思います」

 

 来田には技術的な狂いが出ていた。それはノーステップ打法による体の突っ込みだ。まず来田が高校2年生になってからノーステップになった理由は狭間監督が進めたものだ。狭間監督はその意図についてこう説明する。
 「来田はタイミングの取り方が下手なんです。上手い選手は足を挙げながらうまく投手のボール、軌道に合わせることができるのですが、来田は足を挙げながら合わせるのが課題なんです。センバツの本塁打を振り返ってください。すべてノーステップでしょう?」



国体での来田涼斗(明石商)

 改めてセンバツの2本塁打を見てみると、確かにノーステップで打ち返している。狭間監督はノーステップにする意図をイチローと松井 秀喜を例に出しながら、説明を行った。
 「イチローも日本では振り子打法でしたが、メジャーにいってからは振り子をやめた。松井も、アメリカにきて小さなステップに代わった。速い球に対応するために工夫した結果、皆、ステップが小さくなっていくんです。来田はそういうところを考えてほしく、ノーステップを変えていきました」

 実際に来田もセンバツ前のインタビューでは、手ごたえを感じるコメントを残している。
 「今、タイミングという面ではいい感じになってきていると思います。ボールをとらえる確率は以前に比べ、明らかに上がりました」

 それがセンバツの活躍にもつながった。ただこの打法はもちろん万能ではない。狭間監督は「前かがみになっている」と指摘し、来田自身も
 「前かがみになることで、アウトコースの球は打てるのですが、強いボールが打てず、自分が追求する逆方向への強い打球が打てなかった」と反省する。

 強豪校はその課題をすぐに察知する。秋の近畿大会準々決勝の大阪桐蔭は、前かがみになり、ボールが死角に感じる内角を強く攻めたのだ。結果として安打は振り遅れの打球1本のみ。本塁打はなく、来田らしい打撃はできなかった。

【次のページ】 ドラ1を現実化するための課題

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する

プロフィール

川野 涼多(九州学院)
来田 涼斗
  • 明石商
  • ポジション:外野手
  • タイプ:右投左打
  • 身長体重:178センチ78キロ
  •  
【関連記事】
第1118回 報徳学園のエース・坂口翔颯が目指す「圧倒」する投球。スケールと制球力を高めて夏こそ聖地へ 【2020年インタビュー】
第1105回 進学志望から一転。明石商の名捕手・水上桂(東北楽天)の野球人生を変えた日本代表の経験【後編】 【2020年インタビュー】
第1105回 明石商を二季連続甲子園ベスト4に導いた水上桂が名捕手になるまで【前編】 【2020年インタビュー】
第1002回 来田、細川、小深田のスラッガートリオなどタレント揃い!甲子園で要注目な西日本逸材野手29名リスト【大会展望・総括コラム】
第1000回 中森、小林、岩崎の近畿好投手トリオに加え、甲子園を沸かせそうな西日本好投手リスト23名!【大会展望・総括コラム】
第1005回 今年もたたき上げの精神で全国制覇を目指す明石商(兵庫)!直向きさが武器【野球部訪問】
第1100回 大阪桐蔭の左腕エースでは田中誠也以来の実力派・藤江星河を覚醒させた「内角攻め」と「チェンジアップ」 【2020年インタビュー】
第1002回 「打倒・明石商 中森俊介から10点取る打線へ」育英(兵庫)野球部訪問【後編】【野球部訪問】
第1001回 「復活を目指す兵庫の伝統校」育英(兵庫)野球部訪問【前編】【野球部訪問】
第1095回 化け物クラスの投手へ 中森俊介(明石商)が求めるのは「柔軟性」。【後編】 【2020年インタビュー】
兵庫県選抜vs関西国際大【2019年 練習試合(交流試合)・秋】
大阪桐蔭vs明石商【2019年秋の大会 令和元年度 秋季近畿地区高等学校野球大会】
履正社vs明石商【第101回全国高等学校野球選手権大会】
明石商vs宇部鴻城【第101回全国高等学校野球選手権大会】
明石商vs花咲徳栄【第101回全国高等学校野球選手権大会】
来田 涼斗(明石商) 【選手名鑑】
明石商 【高校別データ】
インタビュートップに戻る サイトトップに戻る

インタビュー