目次

[1]憧れの東海大四入学も同期はハイレベルな選手ばかり
[2]高校最後の試合で正真正銘のベストホームラン!

高校最後の試合で正真正銘のベストホームラン!



ティーバッティングをする今川優馬(JFE東日本)

 レギュラーではなかったが、今川は甲子園出場の喜びを感じていた。
 「夢に来た場所でしたので、今でも甲子園は最高の場所だと思いましたね。そればかりしてきた練習、苦労が報われた思いもありました。ただレギュラーとして試合に出たなかったなという思いも同時にあります」

 そしてエース・西嶋が超スローカーブを投げた瞬間をベンチから見ていた。
 「ただ凄いなと思って、本気で(西嶋を)尊敬しています。自分が憧れの選手に出した新庄さんもそうですけど、1人であれだけ観客を沸かせるので、1人でできるのはすごいなと思っています」

 

 同期の選手に刺激を受けながら、さらに高いステージで活躍したい思いを強くしていた。

 そして甲子園後、国体出場が決まった。この国体は今川にとってチャンスが訪れる。それは高校3年の秋らしい事情からだった。
 「センターでスタメンで出場していた選手がちょうど就活が出られなかったんです。夏から打撃にも自信が出てきたのでチャンスだと思いました」



今川優馬(JFE東日本)

 今川はそのチャンスを生かす。国体の健大高崎戦で本塁打を打つ活躍。試合には打撃戦の末、10対13で敗れたが、スタメンとして活躍したこと、さらに本塁打を打てたことに今川は満足感でいっぱいだった。
  「国体の舞台は非常に楽しかったですね。夏の大会と違って、勝たないといけないプレッシャーがなく、伸び伸びとやれて、お祭り気分でしたね。活躍できたのは自信となりました」

 そして国体の本塁打は高校通算2本目となった。
 「初めて打った本塁打は練習試合で、かなり狭い球場だったんです。外野フライと思った打球が入ってしまって。だけど、国体で打った長崎県営野球場は広い球場で感触もばっちりで、正真正銘の本塁打です」

 有終の美を飾った今川。そして進学先は東海大札幌キャンパスに決まった。いろいろ大学を見た中での選択だった。
 「大学は高校の隣のグラウンドで練習をしていて、ここでやりたいと思うようになりました。また、東海の縦じまに未練を持っていて、今度はレギュラーとして縦じまのユニフォームを着て、全国の舞台に出たいと思ったんです」

 強い決意をもって東海大札幌キャンパスへ入学した今川だったが、厳しい現実が待っていた。

 vol.1はここまで。vol.2では大学野球での話をメインに、今川選手の野球人生についてさらに迫っていきます。vol.2もお楽しみに!(vol.2を読む)

(取材=河嶋 宗一

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