Interview

福岡にいたガチな二刀流・高山維月(福岡志免ボーイズ)が面白い。目標実現へメンタル強化!

2019.05.18

 福岡志免ボーイズが初優勝を飾った第28回ゼット旗争奪福岡大会。福岡志免ボーイズの「投」のヒーローが刈谷信二郎であるならば、「打」のヒーローは高山維月の名前が上がるだろう。

 高山は、1回戦の北九州中央ボーイズ戦で会心の本塁打を放って勝利に貢献すると、その後も勝負強い打撃を随所で披露し、決勝戦の西田川ボーイズ戦では試合を決勝タイムリーを放って初優勝に大きく貢献した。177センチ62キロと細身だが、振り幅が大きいスイングながら高いコンタクト能力を秘めた打撃に加え、しなやかな腕の振りから繰り出すキレのある直球を武器にする本格派右腕でもある。

 今回は、そんな高山にインタビューを行い、その素顔に迫っていく。

バットコントロールはチームNo.1

福岡にいたガチな二刀流・高山維月(福岡志免ボーイズ)が面白い。目標実現へメンタル強化! | 高校野球ドットコム
高山維月(福岡志免ボーイズ)

 「満塁のチャンスで(ランナーを)返すことができたので、本当に良かったです。真っ直ぐ一本に絞って振ったら、ライトに抜けていきました」

 5月5日に行われた、第28回ゼット旗争奪福岡大会決勝。2対2の同点の場面から決勝タイムリーを放った高山は、試合後に笑顔で試合を振り返った。

 福岡志免ボーイズの3番打者として、ゼット旗争奪福岡大会初優勝に大きく貢献した高山は、普段から打線の軸として活躍を見せている選手だ。福岡志免ボーイズの近藤正之監督も、高山選手の打撃技術を高く評価しており、打線において重要役割を果たしていることを明かした。

 「バットコントロールは、チームでナンバーワンです。飛距離も出ますし、昨日の試合でもホームランを打っている選手です。彼がある程度は打てば、(チームとして)計算もできます」

 また高山は、投手としても高い能力を見せた。
 第28回ゼット旗争奪福岡大会の準々決勝では、先発投手としてマウンドにも登り、強肩の外野手らしい力強く伸びのある直球を披露。
 変化球の精度やマウンドさばきなど、投手としてはまだまだ課題も多いが、将来的には140キロ台に球速が乗っても何ら不思議ではないポテンシャルを秘めている。

 高山は打者としてだけでなく、投手としてもこの先活躍していきたいと話し、投打で高いレベルを目指していると意気込む。

 「ピッチングでは、まっすぐで押せるところが持ち味です。まだまだ足らないところも多いですが、ピッチャーとしてもバッターとしてもレベルの高い選手になりたいと思っています」

[page_break:気持ちの面での成長も課題]

気持ちの面での成長も課題

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二塁打を放つ高山維月(福岡志免ボーイズ)

 そんな高山が現在目指しているのは、ボーイズリーグの全国大会である第50回選手権大会への出場と、中学野球最高峰の舞台であるジャイアンツカップへの出場だ。中学野球の集大成として、二つの全国大会を目指している高山は、今回の第28回ゼット旗争奪福岡大会でも多く収穫を得たと話し、今後に繋げていきたいと強く意気込む。

 「打撃では、これまで初球を狙っていくのが怖かったんですが、この大会では初球から狙い撃ちができるようになりました。そこは収穫だと思います」

 だが、その一方で課題も明白になってきた。
 夏になると、他のチームもよりハイレベルになってくる中で、高山は次のような課題を克服していく必要性を感じたと話す。

 「バッティングでは、左投手の変化球を苦手にしています。普段の素振りの時から、左ピッチャーの変化球を想定しながらやっていきたいと思います。
 またピッチングでは、疲れが出てくると真っすぐが通用しなくなるので、もっと変化球を使って抑えられるようになりたいと思います」

 また近藤監督は、精神面においても更なる成長を願う。
 チームの軸である一方で、調子の上下が大きいことが課題であると感じている近藤監督は、精神的な成長を遂げて、より盤石なチームの柱になって欲しいと語る。

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マウンドに立つ高山維月(福岡志免ボーイズ)

 「どうしても気持ちの浮き沈みの部分では、まだまだ子供の部分があります。その辺が今後の課題かなと思います 」

 残りの中学野球や、高校野球でも高い目標を掲げている高山。
 その名字が示しているように、これからまさに「高い山」を目指していいく訳だが、そんな高山に最後にこれからの意気込みに語っていただいた。

 「野球は自分一人でやるわけではないので、中学でも高校でも、チームメイトとのコミュニケーションを大事にしたいと思います。
 その上で、高校野球では1年の秋からベンチ入りして、3年になったら主軸を打ってエースになれるようにしたいです」

 「将来性」と「協調性」のバランスが素晴らしい。そんな高山を、これからも追いかけていきたい。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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