「球威」と「制球」を両立させた伸び盛りの本格派 清水樹(秦野リトルシニア)
3月2日に行われた、第7回DeNAベイスターズカップ1回戦で、麻生ボーイズを相手に完封勝利を挙げた秦野リトルシニア。完封勝利の立役者となったのは、間違いなくエースの清水樹であった。
今回は、ベイスターズカップ1回戦の試合後に清水樹にインタビューを行い、完封勝利を挙げての感想やこれまでの取り組みについてお話を伺った。
一冬越えて身に付けた重たい直球
清水樹(秦野リトルシニア)
圧巻の完封劇であった。3月に入り少しずつ暖かくなってきたとは言え、浜風の冷たい[stadium]横浜スタジアム[/stadium]の気温は最高でも14度。決してベストコンディションとは言えない中での投球であったが、見事な投球でチームを準決勝へ導いた。
「初回は少し荒れてしまいましたが、3回以降は良いピッチングが出来たと思います。今年にかけてストレートに磨きをかけてきたので、こういうところで通用したので自信が付きます」
清水自身が語ったように、この日はストレートに勢いがあった。常時120キロ前後の直球は、球速表示以上にボリュームを感じさせ、麻生ボーイズが差し込まれるシーンが何度も見受けられた。気候も暖かくなってくれば、球速ももっと出るはずだ。
秦野リトルシニアの牧嶋和昭監督も、清水の直球に手応えを感じた様子を見せる。
「一冬越えて力がついてきて、だいぶ重たい球が投げれるようになりました。冬のトレーニングの成果が出せたかなと思います」
牧嶋監督によれば、清水は元々制球力が持ち味の投手だったという。コントロールがとても良く試合が作れるため、チームのエースとして背番号1を背負うようになった。
清水自身は、コントロールに対する自信は無いとしながらも、普段から制球を意識しながら練習に取り組んでいると話す。
「自信はあまりないんですけど、キャッチボールの時などは(相手の)胸にボールを投げるように意識しています」
ベイスターズカップ1回戦での完封劇は、まさに「球威」と「制球」を両立したからこそ成しえた投球だったのだ。
[page_break:ベイスターズカップは優勝しか意識してない]ベイスターズカップは優勝しか意識してない
清水樹(秦野リトルシニア)
もう一つ、清水を語る上で欠かすことが出来ないのが、3番打者を任される打撃力だ。この試合では、本来の打撃を発揮することは出来なかったが、バッティングは小学校の頃から自信があったと清水は語る。
「小学校の時からバッティングには自信はありました。今日は打てませんでしたが、自信はそこそこあります」
チームのエースで、尚且つバッティングも良いとなると、目出す道は「二刀流」なのが昨今のトレンドである。清水も例外ではない。メジャーリーガー・大谷翔平が切り開いた、「二刀流」への挑戦に大きな意欲を見せる。
「今日は打てませんでしたが、将来は投げて打てる二刀流の選手になりたいと思います」
ベイスターズカップ準決勝は、雨天の為16日に変更となったが、チームとして目指す目標が変わるわけでは無い。ベイスターズカップの初優勝に向けて、最後に清水は力強く意気込みを語った。
「チーム一丸で優勝という言葉しか意識してないので、優勝を意識して全力で行きたいと思います」
秦野リトルシニアは、16日の第2試合でヤングオセアン横浜クラブと対戦する。ヤングオセアン横浜クラブは、後半の粘り強い攻撃を武器に1回戦を勝ち上がってきた。そんなヤングオセアン横浜クラブ打線を相手に、清水がどんなピッチングを見せることが出来るか注目だ。
文=栗崎 祐太朗