Interview

中野堅士郎(筑後サザンホークス)

2019.02.24

 昨年8月に行われた2018ホークスカップで、見事優勝を果たした筑後サザンホークス。そのチームにおいて、走攻守のすべておいてチームを牽引したのが、尾崎空選手だ。
 今回は、そんな尾崎選手にインタビューを行い、自身のプレースタイルや長所、そして高校野球に向けた意気込みを伺った。

雁ノ巣球場に叩き込んだ衝撃の先頭打者アーチ

中野堅士郎(筑後サザンホークス) | 高校野球ドットコム
尾崎空(筑後サザンホークス)

 「雁ノ巣球場の一番深いところでした。雁ノ巣球場は両翼が98メートルあって、あそこまで飛ばす中学生はなかなかいないので驚きました」

 そう語るのは、筑後サザンホークスの吉田林司代表だ。尾崎選手がアクアクララ杯争奪夏季九州選手権九州北部地区大会の準決勝で放った、先頭打者ホームランを振り返っての言葉だ。

 「打った瞬間は、レフトオーバーかなと思ったんですが、思った以上に伸びていきました。スタンドに入ったときは気持ち良かったです」
 尾崎選手は、少し照れた様子でホームランを振り返る。

 チームの切り込み隊長を務める尾崎選手は、俊足強打の遊撃手だ。打撃は小力のあるタイプで、芯で捉える能力が抜群に高い。守備でも、足を活かした守備範囲の広さとスローイングの強さが秀でており、まさにチームの「核」といえる選手だ。

「元々、足を活かしたバッティングやスローイングには自信がありました。
 なので練習では、バッティングで長打力をつけることや、守備を基礎からやってグローブさばきを磨くことを意識して練習してきました」

 右打ちで強打の一番打者。
 尾崎選手を見ていると、昨年の第100回選手権大会を湧かせた一人の選手を思い出す。
常葉菊川の一番打者で、「静岡のジーター」の異名を取った奈良間大己選手だ。実際に尾崎選手自身も、奈良間選手の存在は意識していると話す。

 「甲子園では、奈良間選手が一番印象に残りました。低めを大きくスイングして、ホームランにしたバッティングは凄いなと思いました」

[page_break:プレースタイルは異なるも松井秀喜氏が目標?!]

プレースタイルは異なるも松井秀喜氏が目標?!

中野堅士郎(筑後サザンホークス) | 高校野球ドットコム
打撃練習を行う尾崎空(筑後サザンホークス)

 高校野球でも、走攻守において活躍が期待される尾崎選手だが、4月からは鹿児島県内の高校へと進学予定となっている。
 進学を決めた理由を「伝統のあるチームで、チームカラーが自分に合っていると思った」と語る尾崎選手だが、覚悟を決めての越境だけに気合いもみなぎってる。

「高校でも1番を打ちたいです。まず先頭で塁に出ることを意識して、変化球でもフルスイングして、絶対三振を無くす、それのプレースタイルを高校でも目指したいと思います」
 また、自身の課題も自覚している。変化球を待ちきれずに、泳がされる形で打っていることが現在の課題となっており、克服に向けた練習に打ち込んでいる。

「今は溜めて打つ練習を行っています。ティーバッティングでピッチャーが投げるのをイメージして、セットからリリースポイントにいくまでに足を上げ、そこで溜めを作ることを意識して練習をしています」

 進学に向けて、着々と準備を進めている尾崎選手だが、最後に目標とするプロ野球選手について質問すると意外な選手の名前が出てきた。
 その選手とは、巨人やメジャーリーグで活躍した松井秀喜氏だ。尾崎選手のプレースタイルとは異なるようにも思えるが、松井氏の名前を挙げた意図を尾崎選手は次のように明かした。

「高校ではもっと長打力を伸ばしたいと思っています。なので、松井秀喜さんを越えられるように頑張って、ホームランを通算50本以上打ちたいと思っています」

 笑顔で明快に目標を語る尾崎選手だが、その胸の奥には現状に満足しない途轍(とてつ)もなく大きな野心を秘めてる。
 尾崎選手は今後、一体どんな変化を遂げていくのか。その成長曲線に注目だ。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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