Interview

向上心の中に垣間見える謙虚さが魅力 藤田和揮(筑後サザンホークス)

2019.02.16

 昨年8月に行われた2018ホークスカップ。エースである秋山恭平がU-15日本代表で不在の中、見事優勝を飾った筑後サザンホークスだったが、その時に軸として獅子奮迅の活躍を見せたのが、藤田和揮投手だ。
 今回はそんな藤田投手に独占インタビューを敢行。自身の持ち味や、目前に控えている高校野球に向けた意気込みを伺った。

直球でグイグイいくタイプ、でも性格は謙虚

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藤田和揮(筑後サザンホークス)

 話しは、筑後サザンホークスへ訪れる少し前に遡る。九州地区のとある高校野球指導者と野球談議を交わす中で、U-15日本代表であった筑後サザンホークスの秋山恭平投手を見に行くことを伝えた。するとその指導者の口から、秋山投手とは別のサウスポーの名前が飛び出した。

 「秋山君もいいですけど、2番手の藤田君もいいですよ。しなやかで一級品です」

 実際に藤田投手の投球練習を見てみると、ホークスカップで最優秀選手に選ばれたのも大きく頷ける。最速は131キロと大きなインパクトがあるわけではないが、非常に伸びのあるボールを投げ込み、球速以上の速さを感じさせる。
 変化球もカーブにスライダー、チェンジアップと一通り投げ込むことが出来て、全体的なまとまりもある。体の線はまだ細いが、非常に高い将来性を感じさせる投手だ。

 「自分の持ち味は、インコースへの真っ直ぐだと思います。投球の半数ぐらいはストレートを投げているので、どちらかと言えば(直球で)グイグイいくタイプだと思っています。
 球のキレは(秋山)恭平より劣ってますけどね」

 ピッチングスタイルはグイグイ直球で押すタイプである一方で、謙遜な姿勢を崩さない性格も藤田投手の見どころである。
 2018ホークスカップでは、2試合に登板し最優秀賞も獲得する活躍を見せたが、藤田投手は個人の成績は二の次であり、あくまでチームの成績が大事であったことを強調する。

 「準決勝の球道ベースボールクラブ(福岡)戦では完封できて、最優秀選手にも選ばれたので、それはそれで嬉しかったです。
 ですが、やっぱり一番嬉しかったのはチームが優勝したことで、優勝に貢献できたので良かったと思いますね」

[page_break:自身を俯瞰できるという強み]

自身を俯瞰できるという強み

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ピッチングを行う藤田和揮(筑後サザンホークス)

 そんな藤田投手も、この春からは高校野球の舞台へと踏み出してく。進学予定となっているのは、3月23日に開幕する選抜甲子園大会へ出場が決まっている高校であるが、ここでも藤田投手は謙虚な姿勢を保っている。

 「入るのがおこがましいくらいです。でもその中で精一杯頑張っていけるように、今からどんどん基礎を作って、できれば1年の夏からメンバーに入れるようにしたいです」

 高校入学に向けて、藤田投手が現在取り組んでいるのが、メンタルと下半身の強化だ。高校野球で活躍している選手と比べると、メンタル面と下半身の強さがまだまだ足りないと藤田投手は感じている。

 「ランナーが出ると、どうしようという気持ちがたまに出てくるので、それを完璧に無くせるようにしたいと思っています。また、高校生の選手と比べると自分の太ももは細いので、もっとと太くて強い下半身を作りたいと思います」

 最終的には甲子園に出場して活躍したいと話す藤田投手だが、自身のタイプやルーツを踏まえた上でベンチマークしている投手がいる。その投手とは、筑陽学園の三本柱の一角である菅井一輝投手だ。

 「筑陽学園の菅井投手は、中学時代は筑紫野ドリームズの投手として活躍されていて、ホークスカップでも130キロ以上を出されていました。秋季大会や明治神宮大会でも活躍されていたので、菅井投手のような活躍を目指したいと思います」

 自分自身を俯瞰し、的確な目標設定ができるところも藤田投手の強みだ。そんな藤田投手に、最後に高校野球、そして将来に向けての意気込みも伺った。

 「ピッチャーをやっている限り、これからもずっとピッチャーでやっていきたいですし、野球をやっている以上プロ野球選手になりたいです。自分が投げる試合は絶対勝つというより、周りの人からの信頼感を得たいですね」

 藤田投手は、最後の最後まで謙虚な姿勢を崩すことはなかった。高校野球の舞台で藤田投手が注目を浴びる時には、「人間力」も必ずセットで語られることになるだろう。

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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