2020年の「大型遊撃手枠」は入江大樹(仙台育英)だ!活躍のピークはラストシーズンで!
11月16日、天理vs仙台育英の一戦。天理が8対5と打撃戦を制した。その中で存在感を示したのが3ランを放った入江大樹だ。そんな入江の可能性に迫る。
2020年の大型遊撃手は入江大樹となるのか?
ホームランを放った入江大樹
毎年、大型遊撃手の評価は高騰しやすい。今年は大型遊撃手・紅林弘太郎(駿河総合)がオリックスから2位指名を受けたが、神宮大会の入江のパフォーマンスはその枠として期待していい逸材だ。
6回裏、天理のエース・庭野夢叶が投じたスライダーを捉えた打球は打った瞬間、本塁打と確信し、入江はゆっくりとダイヤモンドを回った。
打球はスタンド上段へ消えていく特大ホームランだった。これで高校通算12本塁打目であり、全国大会では初本塁打となった。
緩やかな成長を見せている。筒香嘉智などを輩出した堺ビックボーイズ出身。堺ビックボーイズの指導者から「お前は仙台育英が合っている」といわれ、仙台育英の進学を決断。1年生から公式戦に出場するも、高校生のレベルの高さに苦しんだ。
そこで冬場は課題となった内角を捌く練習を繰り返し、春季東北大会では[stadium]山形県野球場[/stadium]の場外へ消える特大3ランを放ち、成長を見せた。ただ甲子園では17打数4安打に終わり、本来のバッティングができなかった。
「自分の長所である強く振ることが甲子園ではできなかったので、甲子園後の練習では強く振ることにこだわってきました」
その結果、秋季東北大会では21打数7安打3打点の活躍を見せ、神宮大会ではこの特大本塁打。「強く振ることを練習して、その成果をしっかりと発揮できて自信になりました」と振り返った。
[page_break:活躍のポイントは「捕手寄り」]活躍のポイントは「捕手寄り」
入江大樹
入江の成長が感じられるのは打撃の感覚についてしっかりと言葉にできることだ。入江は自身の打撃ポイントについて「捕手寄り」で捉えると語る。
「これは中学生の時から行っているのですが、僕はなるべく捕手寄りでボールを手元でひきつけて捉えるようにしています。この試合の本塁打も手元まで呼び込んで、浮いてきたスライダーを1球で仕留められて良かったです」
そんな入江が悔やんだ打席が第4打席のライトフライだ。
「この打席は前よりで捉えて、当てるようなスイングになってしまったので悔いがあります」
ホームランを打ったが、4打数1安打に終わったことについて「1本しか打てていないので、4番の仕事は果たせていないと思います。育英の野球は役割に応じた野球が求められているので、出塁することと、チャンスで打つこと。その使い分けができる打撃を来春までにしていきたいです」と意気込んだ。
打撃だけではなく、「肩の強さには自信があり、三遊間の深い位置から投げられます」とこの試合では春先と比べるとショートの守備がだいぶ上達し動きもよくなりスローイングも強く、大型遊撃手として印象付けるものだった。
ここまでのパフォーマンスは実に強烈。来春、自分の考えを具現化できる活躍ができれば、もっと騒がれる存在となるだろう。
(取材=河嶋 宗一)