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[1]硬式球の対応に苦しみながらも、1年生春からベンチ入り。そして不動の正捕手へ
[2]佐々木朗希のボールを受けた経験は財産になった

[1]硬式球の対応に苦しみながらも、1年生春からベンチ入り。そして不動の正捕手へ
[2]佐々木朗希のボールを受けた経験は財産になった


 今年の高校生捕手は人材豊富といわれている。プロ志望届を提出した山瀬 慎之助星稜)、東妻 純平智辯和歌山)、水上 桂明石商)など。その中で評価を大きく上げているのが藤田 健斗中京学院大中京)だ。

 今夏の甲子園では4番キャッチャーとしてベスト4に導いた。その藤田の魅力はスローイングタイム1.8秒台の強肩、高校通算23本塁打の長打力だ。いかにして藤田はドラフト候補にまで上り詰めたのか。

硬式球の対応に苦しみながらも、1年生春からベンチ入り。そして不動の正捕手へ



藤田健斗(中京学院大中京)

 滋賀県出身の藤田が野球を始めたのは小学校2年生から。野球を始めた時から捕手だった。実際にプレーし始めて、捕手の難しさをすぐに感じた。
 「大変なポジションだと思いましたね。やはりうまくなるには試合にたくさん出て覚えるしかありませんでした。試合をこなす中で心がけていたことは、監督さんから教わったことを実践できているか。監督さんからのアドバイスを試しながら試合をこなしていました」

 そして中学に進むと、中学軟式の強豪クラブ・滋賀ユナイテッドJボーイズに所属。近畿大会出場に貢献する強豪クラブの正捕手として活躍を見せていた。ただ藤田は「レベルの高い大会に進むと、自分よりうまい捕手、肩が強い捕手はいくらでもいましたし、慢心になることはなかったです」と振り返る。

 それでも中学時代の藤田を高く評価していた人がいた。それが中京学院大中京を率いる橋本監督である。藤田は橋本監督を通じて、中京学院大中京に進むことを決める。
 「まさか自分が県外のチームに声をかけられるとは思いませんでした。それでも県外に進むことは声をかけられる前から決めていました。そして高卒プロを目指すために中京に入ることを決めました」

 入学すると、1年生春の県大会からベンチ入りを果たす。藤田にとっては驚きのベンチ入りだった。ただ高校から硬式を始めた藤田は、レベルの高さに戸惑う毎日だった。
 「硬式と軟式ではバウンドの跳ね方も全然違いますし、リードなど、まるでほかの競技をやっている感覚になりました。それでも先輩や監督さんからキャッチング、リード、スローイングを教わり、試行錯誤しながら、毎日を過ごしていました」

 

 キャッチングでは「待って捕る」ことを心がけた。構えたとき、左手で捕りにいく動作をしてしまうと、うまく捕球ができない。なるべく構えた位置でボールを待つことにした。そして自慢のスローイングのコツは慌てないことだ。

 「自分は細かいことは意識していないですが、とにかく慌てないことに集中しました。ボールを受け取って、セカンドに到達した時のタイムが1.8秒台でも、セカンドに入った選手がタッチしにくい場所に投げても意味がないので。それなら1.9秒台で、一番タッチしやすい場所に投げることが大事です」

 慌てないで投げてもスローイング1.9秒台。「自分より肩が強い捕手はたくさんいる」と謙遜する藤田だが、やはり一級品のスローイングを投げられる捕手である。

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