大学野球の名門・東洋大で4番キャッチャー、そして主将を務める佐藤 都志也。今秋のドラフト会議での指名が注目される、大学球界屈指の捕手。前回は佐藤選手が築き上げたバッティングの理論を紹介してきた。
後編では、ベストナインも受賞した捕手としての技術について迫った。
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「大学球界の名門・東洋大4番バッターが語る、バッティング理論」佐藤都志也(東洋大学)【前編】
すべての始まりはキャッチングにあり
そもそも捕手・佐藤のスタートは中学2年生の秋。チームの中に捕手をやる人がいない中で、佐藤が捕手をやることを名乗り出たのが始まり。
そんな佐藤の最大の魅力といえば、二塁送球1.8秒をマークする強肩を活かしたスローイング。まず、スローイングにおける重要なポイントを伺った。
「大事なのは正確性です。ピッチャーとの共同作業になりますが、野手がボールをキャッチしてからタッチするまでは0.1~0.2秒かかります。なので、1.8秒でボールが逸れるよりも1.9秒でも正確に投げるのが大事です」
あくまで速さよりも正確性を重要視する佐藤。ではどうすればスローイングは磨かれるのか。佐藤の練習方法を聞くと、返ってきたのは少し意外な解答だった。
「キャッチングですかね。良いところでボールを捕れれば、握り変えも上手くいきます。逆にキャッチングをしっかりできないと、送球は逸れてしまう。なので、キャッチングが大事です」
しっかりと理論的にスローイングの技術を解説する佐藤。しかし、ここまでスローイングについて考えられるようになったのは最近だと明かす。
「大学3年生から杉本監督に代わって、本格的に捕手をやるようになりました。そこからいろんなことを教わりました。スローイングもそれまでは肩の強さだけで投げていました。ただ、昨秋は盗塁を3つか4つくらいしか刺せず、ほとんど成功させてしまいました。そこが悩みだったので、杉本監督とマンツーマンでフォームを固めるようにしました」
毎日フォームを意識したスローイングを10球程度。そしてフォームを固める反復練習を重ねてきたことで、肩だけに頼るのはなくステップも上手く使って正確なボールを投げられるようになった。
そんな佐藤選手はキャッチングへどのような意識を持っているのか。
「基本的には常に同じです。いつでも芯で捕球することを心がけています。浅めにとったり、土手で捕ったりする選手もいると思いますが、自分はそれに慣れていないです。なので、そうしてしまうと、結果として握り変えが遅れるので、芯で捕ることを大事にしています」