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[1]ワールドカップの活躍のきっかけは猛打賞を記録した大学代表戦
[2]打った経験、打てなかった経験、長丁場の戦いもすべてが財産

[1]ワールドカップの活躍のきっかけは猛打賞を記録した大学代表戦
[2]打った経験、打てなかった経験、長丁場の戦いもすべてが財産

 今年のドラフト候補に挙がる高校生は佐々木 朗希奥川 恭伸をはじめとした投手のほうが脚光を浴びるが、野手でナンバーワンの評価を受けるのは、東邦の石川 昂弥だ。高校3年間で積み上げた本塁打は55本。そのうち甲子園では3本塁打、ワールドカップでは1本塁打と大舞台で強さを発揮するスラッガーだ。

 石川に大会の活躍を振り返りながら当時の胸中に迫った。後編ではワールドカップの活躍のきっかけ、そしてワールドカップで得た経験について振り返ってもらう。

前編はこちらから!
「自分たちの野球ができなかった最後の夏 石川昂弥(東邦)【前編】

ワールドカップの活躍のきっかけは猛打賞を記録した大学代表戦


 U-18代表に選ばれ、8月22日に国内合宿に入ると、木製バットへの違和感はなくなっていた。世界大会の活躍を振り返るうえで最も大きかったのは8月26日に開催された大学代表との壮行試合だ。

 「140キロ後半の速球を投げる投手を打席で見られたので、大会に入った時は140キロ後半の投手に慣れていましたね。しかも自分は打てていたので、大きかったですね。」
 だからワールドカップに入っても自信をもって打席に入ることはできた。

 「日本にはいないような投げ方と球の軌道で少し苦労しましたが、大会中は自分のスイングができていましたし、バットを振ることはできました」

 話を大学代表との試合に戻すと、今年のドラフト1位候補・森下 暢仁(明治大)をはじめとした速球投手と対戦したが、自分の想定よりも少し遅く感じたため打てたようだ。

 「周囲が凄い、凄いというじゃないですか。だから凄い投手だと想像しすぎて、実際に打席に立ってみたらあんまりびっくりしなかったという感じですね」

 そう言い切って実際に打ってしまうところに石川の凄さを感じる。特に5回表、亜細亜大の内間 拓馬が投じた内角直球を振りぬいてレフトフェンス直撃の二塁打は見事だった。内間も140キロ後半の速球を投げ込み、東都一部で活躍する速球派右腕。簡単に打てる投手ではない。

 「甘かったですよね。スライダー1球ボールになった後のストレートを狙っていました。ただ詰まったのでレフトフライだと思ったら結構飛んでくれました」
 結果として4打数3安打2打点。大きな自信をつけてワールドカップ大会に入った。

 そして4番打者として本大会に出場した石川は連日の快打。特に一次リーグのパナマ戦では3ランを放った。右投手の内角ストレートを振りぬいたが、インコースが来ることを読んでいた。
 「内角が来る感じがあり、狙い通りにきました。うまく振りぬけたホームランでした」