「キャプテンの、奥 翔太と、副キャプテンの鶴田 康太が中心になってくると思います」上之薗 大悟監督の言葉である。奥は1年生より試合に出場し試合経験は十分にある、鶴田もまた上之薗監督が信頼する選手の一人である。鹿児島を引っ張る2人にフォーカスしたい。
手応えを感じた高知遠征
野球部訪問コラムでも触れたが、今年の鹿児島の新チームは、「選抜出場」から始まった。その理由はここでは触れないので、野球部訪問コラムを読んでほしい。もちろん、主将の奥も
「秋の目標は選抜に出場するというのはチームの目標としてあります」
とはっきりとした口調で話してくれた。
2017年の夏は決勝まですすみ、2018年は準々決勝まで進んでいる。そう考えるとこの目標を聞いても何の不思議でもない。ただ、選手たちにはもう一つ、自信を持てる裏付けがあった。それが、今年の8月に行った、高知遠征である。

上之薗 大悟監督
上之薗監督は今回の遠征の目的につてこう語る。
「今までは、8月に毎年宮崎に遠征に行くのですが、今年は宮崎でインターハイ(南部九州総体2019)があった関係で遠征ができませんでした。1年前の時点で宿舎がないので遠征ができないと知っていたので、4月に高知遠征を決めました。高知県で高いレベルの高校と試合をやらせてもらいました。大手前さん、高知高校さん、高知商さんと高いレベルでやらせてもらって、意識改革をしようかなとおもって」
この高地遠征で、選手は確かな手応えを感じていた。またキャプテンの奥は
「高知遠征は、高いレベルの高校とやらせてもらえたのでプラスになっています。僕たちはあのレベルのチームとやれたんだというのは自信になっています」
と話してくれた。
ただ、鹿児島にとってももう一つのメリットは、自信を持つだけでなく、自分たちに今何が足りないのかを理解し持ち帰れたことである。
「(高知商さんとの試合で)打球の質なども、違いを感じたので全国レベルに僕たちもなれるように取り組んでいかないとと思っています」と奥が語れば、副キャプテンの鶴田も、「高知商さんとやらせていただいた際に、全員体が大きくと打球音もすごく違ったので、そこは追いつきたいと思いました」と何が自分たちに必要かを理解したようだ。

左:奥翔太、右:鶴田康太
これこそが、上之薗監督が求めている、自分で考えそして動くいてほしいという狙いとつながってくる。奥も鶴田も、「高知遠征をした」で終わらずに、その中で何を得て、どう行動していこうかまで落とし込めているのである。
この気づきから目標を作り、それを練習に落とし込めれば、夏の結果は大きく変わってくる。
上之薗監督は、
「高知から帰ってきてウェートトレーニングを主に入れていまず。あとは自分でどれだけ追い込めるかということですね。もちろん、自分を追い込むことは難しいことなのですが、それができてこないと良い選手になれないです」
「急にはもちろん変われないので、これが後々プラスになってくれればと思っています」
この経験がすぐにとは言わないが、着実にチームの血となり肉となっていればと考えている。そして、奥や鶴田もそれは十分に理解している。高知遠征は鹿児島ナインにプラスの影響を与えたのは間違えない。