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 8月30日から開幕した第29回 WBSC U-18 ワールドカップ。侍ジャパンU-18日本代表は第1戦のスペイン戦、7回まで0対2の2点ビハインドだったが、8回裏に4点を挙げて見事な逆転勝利を決めた。高校野球ドットコムでは本日から試合のキーマンとなったプレイヤーを紹介。今回は3回無失点の好リリーフで見事に勝ち投手となった前 佑囲斗津田学園)を取り上げていく。


 試合後、永田監督は報道陣に勝因を問われた。いろいろ挙げる中で、「前の好リリーフが大きかったです」と前の活躍を挙げた。

 6回表、0対2の2点ビハインドの場面でマウンドに登った前の投球は安定感抜群だった。最速138キロのストレート、120キロ後半のカットボール、110キロ前半のカーブをコンビネーションに、2番カスティーヨを見逃し三振。そして二死から4番ゴンザレスには空振り三振に打ち取り、相手の流れを切った。7回表も二死二塁のピンチを迎えたが、前は冷静なピッチングで切り抜け、8回表は三者凡退。計3回を投げ、被安打1、無四球、3奪三振、無失点の好リリーフで、勝利を呼び込んだ。

 前は最速150キロを投げる速球投手として注目されているが、緩急自在なピッチング、そして要所では気持ちがこもったストレートで圧倒するなど、気持ちの押し引きもうまい。頭脳的な投手であるのだ。

 「僕は捕手のリードに従って投げただけです。今日はカットボールが有効だと捕手から聞いたので、それを軸に投げました」と謙虚に語るが、捕手のリードは投手が思い通りに投げられなければ絵にかいた餅。前の緻密な制球力があってこそ成り立つのだ。

 前自身、コントロールには手ごたえを感じており、「ストレート、変化球も思い通りに投げることができました」と笑顔を見せる。

 24日の駒澤大戦では2回無失点の好リリーフを見せたものの、連続四球もあり、投球内容には納得していなかった。短い期間で状態を仕上げ、本番に間に合わせた。

 「どんな場面でも投げたいです」と大会前に語っていたが、初戦の好リリーフで首脳陣の信頼をつかんだ前は、さらに大事な場面での登板が訪れることだろう。

(記事=河嶋 宗一

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