一人一人の人間的成長で、もう一度ノーシードからの大逆転を目指す 安田陸人（益田東）【後編】
昨夏ノーシードから島根大会優勝を果たした益田東。下級生時代から公式戦出場を続けていた3年生たちに割って入り、唯一2年生でレギュラーを掴んでいたのが、一塁手の安田陸人だった。現チームでは主将も務め、名実ともにチームの柱として奮闘している。今回、主将として心掛けていること、主砲としての意気込み、連覇がかかる高校最後の夏の抱負を語ってもらった。
後編では、注目の右のスラッガーでもある安田選手の打撃、守備への意識を伺った。
◆甲子園に出場した先輩たちに追いつくだけでなく越える 注目のスラッガー・安田陸人（益田東）【前編】
打撃はバットにボールを乗せるイメージで
打撃練習中笑顔を見せる
―― 島根県内屈指の右の長距離砲としても注目を集めています。打撃には昔から自信を持っていましたか？
安田陸人（以下、安田） 幼稚園のころにソフトボールを始めて、そこからは欠かすことなく父親とバッティング練習を重ねてきました。それもあって、バッティングには自信を持っています。
―― 秋は夏までと同じく一塁での出場でしたが、今春は捕手として登録されていました。夏はどちらを守る予定ですか？
安田 捕手がいないチーム事情もあり、最初は自分が捕手として出場する予定だったんですが、自分が故障してしまってこともあり……。故障は完治しましたが、今のところ夏は一塁で出場する予定です。
―― 捕手は守備の負担が大きい分、打撃との両立が難しい面もありそうですね。
安田 はい。任せていただいている以上、それを言い訳にしてはいけないと思いますが……。守備でかなり頭を使っていたので、なかなか切り替えが難しいと感じたこともありました。一塁に戻してもらった以上、今まで以上にバットで貢献したいと思っています。
―― 打撃において一番意識している部分を教えてください。
安田 大庭監督からも繰り返し指導をいただいているタイミングです。投手に対して立ち遅れない、差しこまれないように強く意識しています。足の上げ方も摺り足気味にしているのも、その狙いからです。
―― 安田主将の打撃を見ていると、「乗せて運ぶ」イメージを感じます。
安田 野球を始めたころから、バットに乗せるイメージを強く持っています。あとは、「上から切る」イメージが合わないこともあって、この意識を大切にしていますね。
―― バットのこだわりがあれば教えてください。
安田 83センチを使うようにしています。操作性を重視したいのと、引き付ける意識を忘れないようにしたいので、あえて短い物を使っています。
―― 現在の高校通算本塁打は何本ですか？
安田 18本です（取材は５月下旬に実施）。夏までに最低20本に乗せたいと思っています。
[page_break:甲子園で勝つ為に「個で動く」]甲子園で勝つ為に「個で動く」
ジェスチャーを交えてアドバイスを送る
―― 一塁守備で意識している点についてもお願いします。
安田 一番大切にしているのは「大きく構える」ことです。内野手が投げやすいように的を大きく見せたいと思っています。
―― 県内で意識しているライバルはいますか？
安田 投手では大社の紙田貫投手と対戦したいです。野手では、矢上の木村維心選手、開星の田部隼人選手は同じ右打者として負けたくないと思っています。
―― 連覇を目指す夏が迫っています。最後の追い込み期間に意識していることを教えてください。
安田 もちろん技術も大切なんですが、甲子園で勝つためには人間的成長、「人を作る」ことが必要だと思います。夏の開幕直前まで、そこにこだわっていきたいと思います。
その上で、もうひとつ意識するのが「個で動く」こと。自分たちは自信のなさからすぐに集まろうとしてしまいがちです。
最後の夏に向けて、一人ひとりが能力を磨いて、それを試合で発揮できるようにする。自分も打席で力を発揮できるよう、そこを忘れずにやっていきたいです。
また、今年は下級生の選手も多くいます。昨年先輩たちがプレーしやすい環境を作ってくださったように、今度は自分たち上級生が同じように後輩たちをノビノビプレーさせたいとも思っています。
―― 昨年同様、ノーシードからの逆転優勝に期待しています。ありがとうございました。
安田 がんばります。ありがとうございました！
文＝井上 幸太
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