188cm88kgの怪童の武器は「理解力」と「アウトプット力」 作本想真(大村工)
投打にずば抜けた才能を見せる選手がいる。大村工の1番打者作本想真だ。身長188cm体重88kgのガッチリとした体格から、投手としては140キロ台のストレートを、打者としても思いっきりの良いスイングで本塁打を量産している。まだまだ2年生という事を考えれば、今後のさらなる飛躍も期待できる。そんな作本の魅力に迫りたい。
作本の魅力は「フルスイング」!
作本想真(大村工)
「1年からベンチ入りしてました 。とにかく思いっきりバットが振れる子なんですよ。外国人かなという振りをします」
大村工・高比良 俊作監督の言葉である。作本の魅力はなんと言ってもフルスイングが出来ることだろう。
ただし作本のフルスイングは、ただの大振りとは違う。自分の「間」できちんとボールを呼び込み、ボールをしばいていく。実際に作本は、フルスイングの中で、「間」であったり、ボールにコンタクトする上での確実性を上げることを意識している。
「自分の『間』でスイングが出来るために、頭の位置は気をつけています。自分が動いてしまうとバットに当たらないので、しっかりと頭が動かないように意識しています。軸がブレないように意識しています」
だからこそ、フルスイングをしながらも、自分の「間」で強い打球を打てるのだろう。
そんな作本の目標は高校通算50本塁打である。7月9日現在で13本塁打を放っているが、そのうちの8本は、今シーズンが始まってからになる。まさに今本塁打量産体制に入ったと言えるだろう。
もちろん、50本塁打をする上での課題も意識している。
「筋肉量もまだ全然ないですし体幹もついてるわけでないので、そういう細かいところから心がけて行ったら、自分のスイングが崩れないようになるし、当たってももっと飛ぶようになると思います。体幹をつけるために体操場でトランポリンをしています。毎週行なっています。筋力アップは昼休みの時間を使ってウエイトをやっています」
課題を意識しながら、50本塁打に向けて順調にステップアップしてきている。
作本想真(大村工)
夏の大会に向けて作本はこのように話してくれた。
「夏は自分がしっかり引っ張っていけるように、チームの1番バッターを任されているので自分の『間』でしっかりと振って、自分がチームに勢いをつけるようなバッティングがしたいです」
「自分の『間』で振れています」と語るように、ここまで好調を維持している。作本がどのような活躍を見せるのか期待したい!
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作本想真(大村工)
作本想真のフルスイングに目が行きがちだが、投手としてのポテンシャルも秘めている。140キロ台のストレートにスライダーとチェンジアップを武器に豪快な投球を見せる。
「しっかりとストレートで押していけるようなピッチャーになりたいです。目標は150後半のストレートです」と話す。
作本とバッテリーを組む、長濵篤柾(ながはま・とうま)は、作本の投球について
「作本はストレートのスピードで押せる投手」と語る。
作本の憧れの投手は、大谷翔平だ。
「特に剛速球がすごいです。ストレートでどんどん押していく姿がかっこいいと思います。あれぐらいストレートで押していけるようなピッチャーになりたいです」
と話してくれた。
大谷翔平に近づくためにも、作本は歩みを止めないつもりだ!
野球以外にも、真剣に取り組む!
作本想真(大村工)
ここまでで、作本の投打に渡るポテンシャルを感じてもらえただろう。そのうえで、もう一つ大事な要素を伝えたい。それは、作本の理解力である。
高比良監督は、作本についてこのように語ってくれた。
「勉強もできるんですよ。クラスでも常にトップ5にいますね。貪欲ですね。いろんなことにやっぱり努力を惜しまないと言うか、考えて、自分でやらなければいけないことをやれる。野球以外もそういうことが出来る子です」
このコメントにすべてが詰まっている。作本は自分でやることを考え、そしてアウトプット出来るのである。フィジカル、テクニカルに優れた選手は多くいるが、長く野球人生を続けていく上で、「理解力」「アウトプット力」は、最高の武器になる。
だからこそ、作本のこれからに期待が膨らむのである。これからも、作本のプレーに注目していきたい。
作本想真(大村工)
編集後記
作本は、蛭間拓哉(浦和学院)も取り入れていた4スタンス理論を実践している。4スタンス理論とは、人間の身体のタイプを4タイプに分け、それぞれのタイプにあった動きを提唱している理論である。作本と憧れの打者の山川 穂高(埼玉西武)は同じタイプに属している。
「山川穂高選手に憧れています。4スタンス理論が一緒なのもありますし、自分の間でしっかり触れているのもあります。しっかりと数値を残せているのでそういう選手になりたいです」と語った作本。高校卒業までにどれだけ山川に近づけるのかも注目だ!
文=田中 実
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