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第1010回 中川卓也(早稲田大)が今、振り返る濃密な1年間 「我が強い」チームとの向き合い方【前編】2019年07月14日

【目次】
[1]チームを良くしていく意識を互いに持ってい
[2]選抜優勝後も危機感「このままでは夏は勝てない」
6月17日から大阪桐蔭特集がスタートし、17日連続で記事を掲載していきました。15日の大阪桐蔭初戦に合わせ、前年主将の中川卓也選手のインタビューです!動画では後輩たちへメッセージを送っていますよ!こちらも必見です!!
昨年は第100回の記念大会となった夏の甲子園を制するなど春夏連覇を飾り、高校野球界に覇をとなえた大阪桐蔭(大阪)。その歴史に名を刻んだチームで主将を務め、現在は東京六大学の名門・早稲田大でプレーしている中川 卓也選手に昨季のチームについて振り返ってもらった。
チームを良くしていく意識を互いに持っていた

大阪桐蔭時代を語る中川卓也(早稲田大)
昨秋のドラフトで1位指名を受けた根尾 昂(中日)、藤原 恭大(ロッテ)をはじめ、4選手がプロ入りするなどスター軍団と呼ばれた昨季の大阪桐蔭。入団当初から、その実力は際立っていたという。
「入寮した次の日にバッティング練習があったんですが、根尾や藤原はスイングスピードが速くて、既に別格でしたね。あと、一番すごいと思ったのは小泉(航平、NTT西日本)で、打球の音が違いました。自分も自信を持って入部したんですけれど、『この先、やっていけるかな』と心配になりましたね」
しかし、持ち前の打力を活かしてレギュラーポジションを掴んだ中川選手は2年春にセンバツ優勝を経験。最上級生となった同年秋には主将を任せられた。
「小中学校の時もキャプテンをしていたのですが、高校は学校も寮もメンバーと一緒に過ごすので、24時間、気を緩めることができなかったですね。やっぱりキャプテンとして普段の私生活からしっかりとしていなければいけませんでしたから。でも、主将をやるからには、きっちりとやってやろうと決意していました」

トスを上げる中川卓也(早稲田大)
そんな中川選手のもと、チームメートたちはどのようにしてまとまっていったのだろうか。
「自分たちの代はずっと『我が強い』と周囲から言われていたのですが、裏を返せば『勝ちたい気持ちが強い』ということなので、その気持ちを良い方向へ持っていければと考えていました。それから、元々、同期の仲は良かったのですが、1学年上の先輩たちが夏の甲子園で負けてしまい『仲が良いだけでは勝てない』ことを経験させてもらったので、仲が良いなかでも言うべきことは言えるチームにしていきたいと思っていました」
そこで、メンバーに選ばれた選手は、メンバー外になった同級生のために。メンバー外の選手はメンバーになった同級生のため、互いに声を掛け合い、行動を起こした。
「自分たちが『何をしたいのか』を考えたら、『春と夏の甲子園で勝ちたい』という答えになりますから、優勝するためにベンチ入りしたメンバーは練習を怠ることなんてできないですよね。
そして、メンバー外の選手も『チームが勝つために自分は何ができるか』を考えて、率先してバッティングピッチャーを務めたり、チームを活気づけるための言葉を掛けたり、ミーティングで話をしたり。もちろん、メンバーの方からメンバー外の選手に対してガツンと言うこともありましたが、とにかく『チームを良くしていこう』という意識を互いに持っていたんです」
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