成長を刻み続ける四国の「TAIKI」石上 泰輝・徳島商(徳島)
昨年11月24日に[stadium]JAアグリあなんスタジアム[/stadium]で開催された「第10回徳島県高等学校野球体力・技術研修会」は、徳島商の独壇場となった。
ロングティー部門1位は歴代5位となる114.6メートルをマークした村田 龍哉(3年・投手兼三塁手)。そしてベースランニング1周では13秒78(歴代2位)、遠投はバッケンレコードとなる116メートル73でこれも史上初となる「2冠」を奪ったのは……。春に大ブレイクを果たし「四国屈指の3番・遊撃手」の称号を得た石上 泰輝(3年)である。
では鳴門市第一中では主将ながら打順は9番、2年秋も「2番・二塁手」だった石上は、なぜこのような急成長を遂げることができたのか?その成長記録と徳島商を2011年以来、8年ぶり24回目の夏[stadium]甲子園[/stadium]へと導かんとする大器の意気込みを聴いた。
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コツコツと努力し、「体力・技術研修会」の飛躍へ
総体協賛ブロック大会での石上泰輝(徳島商3年・遊撃手)
―― 鳴門市第一中では主将を務めた石上選手、まず地元に鳴門・鳴門渦潮といった強豪校もあった中であえて徳島商への入学を決めた理由を教えてください。
石上 泰輝選手(以下、石上) 特色選抜で徳島商からお話を頂いた時「僕を必要としてくれている」と感じたし、そこで活躍したいと思ったし、森影(浩章監督)先生の影響も大きかったです。
―― その徳島商では実際に指導を受けた感想は?
石上 守備もバッティングも森影先生から教えてもらったことをしていくことで、うまくなっていった実感があります。
バッティングは基本インサイドアウトなんですが、僕の場合はトップに入った時に腕が伸びてしまう癖があるので、少し左ひじを入れる感じでスイングすることを教えて頂きました。あとは下半身。両足が同時に突っ込んでしまわないように、右脚の内側でためをつくってから振ることを意識しています。
―― ただ、入学時を振り返ると自分の現在は想像できていましたか?
石上 できていなかったですね。入学時の目標は「試合に出てレギュラーになる」でしたし。上のレベルを意識するようになったのは今まで取り組んできたことの成果が出て2年秋に試合で打てるようになってからです。
―― 同時に足も速くなりました。
石上 中学時代はそんなにスピードのある選手ではなかったですし、タイムとかの測定も高校でしていなかったんですが、ヒットを二塁打にできる場面が増えてきたので「足が亜速くなった」感覚はありました。
―― そして11月24日の「第10回徳島県高等学校野球体力・技術研修会」では、ベースランニング1周13秒78(歴代2位)、遠投116メートル73(歴代1位)という凄い数字を出しました。
石上 昨年6月の総体協賛ブロック大会以降、新チーム発足までは外野手もしていたんで肩が強くなった実感もありましたし、自信を持って測定に挑みました。本当はベースランニングも歴代1位になりたかったですけど(笑)。
そして、この記録が出たことは自分の中ですごく自信になりましたし、冬場に二塁手から遊撃手にコンバートされた時も、次に投げる場所を考えてそこに線を作り、下半身を使って投げることで安定した送球もできるようになりました。
[page_break:「憧れの場所」で任せてもらえる選手に]「憧れの場所」で任せてもらえる選手に
石上 泰輝・徳島商(徳島)
―― かくして迎えた春は秋に続く準優勝。2番・二塁手から3番・遊撃手になった石上選手もホームラン1本も放つなど走攻守に躍動しました。
石上 でも、秋と同じように県の決勝戦で負けたことはすごく悔しいです。僕も活躍できなかったのでそこは改善しようと思っています。
―― では、春以降に取り組んでいることとはどんなことですか?
石上 メンタル面では打てない時でも下を向かずにヒットになる方法や盗塁するための相手投手のくせをベンチで考える。技術面では脚から身体がついていくようにして、木製バットで芯に当てる感覚を続けてきて、今は高校通算本塁打も10本を超えました。
―― そんな経緯を経て迎える最後の夏。石上選手が攻守で目指しているものとは?
石上 守備ではミスをしないこと。打撃ではチームを勇気づける1本を打ちたい。もし春同様に村田(龍哉・3年)の前を打つようだったら、追い込まれるまではは思い切って振って、追い込まれたときには村田につなぐ打撃・盗塁をしていきたいですね。
―― ちなみに理想としている選手はいますか?
石上 今の憧れは今宮 健太さん(福岡ソフトバンクホークス)です。今宮さんは送球のことを考えて捕球までのステップを取っているので、そのイメージをつかむためにも映像はよく見ています。
―― では、石上選手、夏への意気込みをお願いします。
石上 チーム一丸となって一戦一戦を闘って勝っていきたい。[stadium]甲子園[/stadium]は行くのが難しい場所だとは思いますが、同時に憧れの場所なので絶対に優勝してあそこでプレーしたいですね。そして、僕自身はどのカテゴリーに行っても「この選手なら任せられる」選手になれるようがんばっていきます!
取材=寺下 友徳
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