第963回 名門の道を歩んできた野球人生 転機となった台湾遠征 宮本涼太(大阪桐蔭)【前編】2019年06月21日

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春夏連覇を達成して感じた先輩たちの凄さ



グラウンドを駆ける宮本涼太(大阪桐蔭)

 大阪桐蔭は2017年センバツ優勝により、単独チームで台湾遠征することが決定。そのメンバーに入ればチャンスがあると考えた宮本は「死ぬ気でやろうと思いました」と今までよりも必死に練習を行った。

「秋にメンバーを外れて。チームは神宮に行ったんですが神宮のメンバーに入れなくて、甲子園が決まっている中での台湾だったので、そこでアピールしたら甲子園メンバーに入れるかなと思って、死ぬ気でやろうと思いました。それで台湾メンバーに入らせてもらって、藤原さんのケガもあってたまたま出させてもらって、そこでアピールできました」
 台湾で快打を連発し、木製バットながら20打数5安打を記録。この台湾遠征、西谷監督にとっては、レギュラー以外の選手を見出すことも目的だったと2018年の大阪桐蔭取材でも語っており、宮本らの活躍は「非常に大きかった」と振り返っている。そして宮本はこの遠征を機に、Aチームでずっと練習するようになり、ベンチ入りを狙える立場となった。セカンドに入ると、山田 健太(立教大)がいた。

「ほとんど山田さんの後ろで二番目だったので、けっこう喋る機会があって、守備やいろいろな面を教えてもらいました。山田さんは本当に優しいです。怒らないですね、ほとんど。あまり怒られた記憶がないです。僕はセカンドをあまりやったことがなかったので、ゲッツーのやり方であったり、ポジショニングというのを訊いたら、優しく教えてくれたので、勉強になりました」

 そのことを後日、山田に伝えたのだが、「そうですか。僕は坂ノ下さんから教わったことをそのまま教えただけなんですけどね」と笑う。良い関係だったことが伺える。練習、練習試合でアピールを続け、2年春にしてベンチ入りを勝ち取る。初めての甲子園は別世界だった。

「甲子園という目標があって、一年の夏に出場した時はメンバーに入ってなかったので、いざ自分の足で入ってみたら普通の球場とは全然違って、観客も入って、すごいものを感じられたので、いい経験ができました」

 ただセンバツでは2打席しか経験ができなかった。
「スタメンで出たいという気持ちはあったんですけど、自分の力が足りなくて。甲子園が終わってからの春の大会では結果を出さないと、あの強いスタメンであっても勝てないと思ったので、結果にこだわってやっていこうと思っていました」

 その目標を立てた時、改めて自分に足りないところは何かと考えた時、守備力だった。
 「バッティングは自信というか持ち味としてあったのですが、守備力が弱かったので、特に守備力を鍛え直さないといけないと思ってやっていました。守備ですと、送球の確実性であったり、捕球面でのミスの少なさというところと、声掛けやポジショニングもまだまだできていなかったので、そういうところを先輩にいろいろ訊いたりしました」

 守備を少しずつ上達させ、試合に出る機会も多くなる。香川県の招待試合ではランニングホームランを放つ。
「久々にランニングホームランを打ったんですが、結果もしっかり残せたので、いい招待試合になったと思います」

 宮本も成長を見せるも、3年生達の成長も著しく、スタメン獲得はならなかった。それでもベンチ入りした経験は大きな財産となった。

「一年生の夏はスタンドで観る機会があってスタンドの雰囲気は味わえたのですが、ベンチの雰囲気はわからなかったので、自分も味わいたいと思っていました。夏ベンチに入らせてもらって、履正社の時は春夏連覇したチームでもそこまで苦しめられるということは、そう簡単に勝てないのが夏なんだなと強く感じました」

 優勝して先輩たちの凄さをどう感じたのか。
「春優勝しても全然驕りがなく満足していなくて、上を見続けた結果が春夏連覇だったと思うので、精神的にもすごい人たちだったと思います」

 こうして2年生では春夏連覇を経験した宮本。新チームでは副主将を任されることになる。

前編はここまで!後編では履正社、智辯和歌山戦での負けで感じたこと。そして夏への意気込みを伺いました!

文=河嶋 宗一

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プロフィール

宮本涼太(大阪桐蔭)
宮本 涼太(みやもと・りょうた)
  • 大阪桐蔭
  • ポジション:二塁手
  • タイプ:右投げ左打ち
  • 身長:172センチ 体重:80キロ
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