第961回 知られざる主将としての重圧。すべてを乗り越え、夏は大爆発を 中野波来(大阪桐蔭)【後編】2019年06月20日

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【目次】
[1]主将としての重圧 打撃はすべてにおいて絶不調だった
[2]集大成を見せる夏へ

 昨年、史上初二度目の春夏連覇を果たした大阪桐蔭。そこで、最も甲子園に戻るに燃えている選手がいる。それが主将の中野 波来だ。打者としては5月末で高校通算13本塁打を放っている長打力に加え、外野手としては抜群の強肩を見せる強肩強打の外野手だ。
 後編では、新チーム結成直後からのエピソードを中野に伺った。主将に就任した中野の知られざる苦悩に迫った。

◆偉大な先輩たちの背中を追ってきた下級生時代 中野 波来(大阪桐蔭)【前編】

主将としての重圧 打撃はすべてにおいて絶不調だった



中野波来(大阪桐蔭)

 中野主将は満場一致での選出だった。選出理由について西谷監督は「非常に明るくてリーダーシップのある子なので、宮本(涼太)とどちらかがキャプテンになるだろうなとは思っていました。同級生ひとりずつ、みんなに私が理由を訊いていって、主将は中野で、副主将は宮本で、ということになりました」

 中学時代、主将を務めた中野は主将をやってみたい思いはあった。ただ実際に就任してみて、3年生の偉大さや人を引っ張る難しさを痛感する。
 「偉大さというか、三年生がいた時には分からなかった三年生の凄さだったり、一つ試合を勝つ難しさだったりというのを一番感じました。実際キャプテンに選ばれてみて、人を動かす難しさだったり、人に物事を一つ伝える難しさだったりというのは、うまくいくよりもいかないことの方がだんぜん多くて、新チームの時は一番苦労しました」

 苦しい日々。その時、前主将の中川 卓也(早稲田大)のアドバイスが救いとなった。
 「中川さんから『一番しんどいポジションやからめげずに。自分を見失ったら終わりやから』という感じで、中川さんが一番大切にしていたことを伝えてもらいました」

 また、打撃面で最も苦しんだ時期でもあった。
 「技術的にもまだまだだったのですが、精神的に自分がキャプテンとして打たないといけないであったり、センバツに出たいという想いであったり、逆に気持ちが空回りして、自分の打席の時に余裕が無かったりというのが一番あったので、考えすぎてたかなと思います」

 近畿大会準々決勝智辯和歌山戦は中野にとって痛恨の試合だった。
 「代打で出てライト前打ったんですが、牽制でアウトになってしまったので、そこはチームに対して申し訳ないと思いました」



中野波来(大阪桐蔭)

 冬の期間はもう一度、自分の打撃を見つめ直した。
 「個人的には落ちるところまでバッティングが落ちていて、バッティングの技術的にもう底がないぐらいまで落ちていました。精神的にもそうなんですが。秋に失敗したことを二度としないように技術をつけることであったり、コーチの人にいろいろ話をいただいて、気持ちの持ち方であったりというのは、冬の間時間があったので、じっくり直すことができました」

 持ち味のバッティングは大きく崩れており、西谷監督や橋本コーチにアドバイスを求めた。
 「あの時、ボールをまったく見れてないですし、気持ち的にも余裕が無いですし、もうバットに当たる感じが無かったので、すべてにおいて絶不調でした。『そこをこの冬どうしていくか』というのを個人的にはテーマに挙げて、橋本先生や西谷先生に、技術もそうなのですが精神的にどういうふうに打席に入ったらいいか聞いて、そこはもう必死に、春・夏は二度と落ちないようにということを目標にやっていました」

 弱気な気持ちで打席に入ることを辞めて、シンプルな気持ちで打席に入ることを決めた。
 「打たないといけない、勝たないといけない、なんとかしなければいけないという想いが、秋に空回りをした原因なので、打席の中でピッチャーに対した時は“来た球に対して強く振る”というシンプルな考え方でオープン戦からやっていったのですが、そうすることによってバットに当たる確率も上がってきました。考えすぎずに、ただシンプルに、小学生で野球を始めた時ぐらいに“来た球を打つ”というふうに変わりました」

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プロフィール

中野波来(大阪桐蔭)
中野 波来(なかの・はる)
  • 大阪桐蔭
  • ポジション:外野手
  • タイプ:右投げ右打ち
  • 身長・体重:175cm・81キロ
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