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第953回 「守備の帝京」の象徴・大内智貴(帝京)。接戦になればなるほど際立つ野球センスの高さ!2019年06月11日

【目次】
[1]怪我に苦しみながらも、持ち前の観察力の高さで信頼を掴む
[2]高い守備力の秘密
今年の帝京は「守備の帝京」と例年にはないチームカラーで勝負する。その中心選手として期待されるのが大内 智貴だ。小学校時代からU-12代表、大宮シニア時代は中学2年生時に全国制覇を経験。野球エリートの道を歩んでいる。
大内の魅力は攻守の総合力の高さ。何においても目敏さを持った選手ということだ。つなぎの4番として試合に出場する大内はバットコントロールの高さで安打を量産し、たびたび決勝打を放つ勝負強さ。センターの守備では一歩目が早く、守備範囲の広さと的確なスローイングで好プレーを生んできた。そんな大内に対し、チームメイトから絶大な信頼を寄せられている。
夏へ向けて注目したい大内の歩みを振り返りたい。
怪我に苦しみながらも、持ち前の観察力の高さで信頼を掴む

大内智貴(帝京)
小学校時代、埼玉県出身ながら、親の転勤などで福岡県を行き来していた大内。小学校の時からU-12代表に選ばれ、世界の舞台を経験し、当時から才能の高さを発揮していた。大宮シニアに入団すると、さらに野球センスが磨かれる。大宮シニアは緻密な野球をするチームで、「監督さんは頭が良い方で、頭を使う野球をかなり求められました。当時はかなり細かいなと思っていたのですが、高校では標準のことなので、良い環境でできたと思います」と振り返る。
雨が降ってグラウンドが使えない時、大宮シニアの場合は公民館を使って、野球のルールの勉強、サインプレー、中継プレーの基本などを学んできた。
「普通の中学生はただ野球をやっているという感じがあるんですが、『大宮シニア』では頭の中で動きを学べました」
そして中学2年には全国大会優勝を経験。
「6番ライトで出場していたのですが、あまり活躍した実感はなく、先輩たちのおかげで優勝できたと思っています」
中学3年には帝京から誘いがあった。
「嬉しかったですね。『帝京』と聞いて、全国大会でずっと優勝しているイメージがあったので、すごく嬉しかったです。前田監督の下で野球をやりたかったんです」と胸を高らかに帝京へ入学を決めた。
ただ入学してからは怪我に苦しんだ。肩、肘を痛め、1年秋はベンチ入りを狙えるまでアピールできたが、大会直前に足首を骨折してしまい、ベンチ入りができず、「監督にも、チームメイトにも迷惑をかけてしまい、本当に苦しい時期でした」
ベンチ入りできたのは2年秋から。3試合で13打数7安打を記録。「ボールを捉える能力には自信があります」と語るように、打撃センスは高いものがある。
3年春も主力選手として大会が迎えられるようになると、前田監督から主将に抜擢される。前田監督は「全国大会を経験しているので、出す声が良いんです。指示が的確なので、彼に任せました」
中学でも主将を努めた大内。打撃よりも守備に自信がある大内は自分が感じたことはチームに伝えていった。チームメイト、前田監督からの評価も高い。セカンドを守る小松 涼馬は「大内さんはポジショニング、打球が飛んだ時の指示が的確で、とても助かっています」と語れば、前田監督からも「自発的に指示ができるので、指導者からすればとてもありがたいですよ」と信頼を寄せている。