目次

[1]「打席では足が震えていた」
[2]「勝ちたい」より「負けたくない」

 読売ジャイアンツと西武ライオンズで現役14年間プレー。1485試合に出場し、通算打率.289、最多安打のタイトルにベストナイン選出、チームの優勝に幾度も貢献した華々しい実績。清水隆行氏の現役時代を知る人なら、間違いなく「一流選手」と言うだろう。だがその裏にあった意外な気持ちと、それに伴う活躍の秘訣。もし悩みの沼にはまっている高校球児がいるとしたら、清水氏の言葉から救いのヒントが得られるかもしれない。

活躍するために持つべき3つの視点とは 前U-15侍ジャパン監督・清水隆行氏(元読売ジャイアンツ)vol.2
前U-15侍ジャパン監督・清水隆行氏が読売ジャイアンツ時代に実践し続けた「一流の習慣」vol.3

「打席では足が震えていた」


 浦和学院、東洋大学、読売ジャイアンツ。プロ入り後はルーキーから開幕1軍でレギュラーに。プロ7年目にはシーズン191安打で最多安打のタイトルを獲得。清水隆行氏のキャリアを並べてみると「野球エリート」という言葉がぴったりと当てはまる。

 しかしその実、本人はずっと「自分は劣っている」と思っていたと言う。
 さらに、いつも「怖かった」とも。

 「毎試合、最初の打席は足が震える感覚がありました」

 現役14年間で出場した試合は1485。その内、打席に立った全ての試合の第1打席は最後まで足が震えていた――。プロで残してきた華々しい実績と比べると予想外の告白だった。

 「楽しさがあったのはデビューして最初の頃だけです。なぜなら怖いものがなかったから。高校から大学へ行ってプロへ進んで。東京出身で幼い頃からずっと見てきたジャイアンツへ入団して。まさかプロへ行けると思っていませんでしたから、その世界でやらせてもらえることに対して最初は楽しみを覚えました。でもだんだん怖さの方が上回ってきて。
 試合に出るようになり、レギュラーになると、失敗することの怖さがだんだん出てくるんです。結果を出し続けることでしか自分の置かれた状況を守り、さらに地位を向上させることはできませんから。となると、毎日積み重ねることが必要になる。その大変さと同時に、もし失った時の怖さが常にありました。他の選手はどうかわかりませんが」

 5月31日に発売されたばかりの著書『プロで成功する人しない人』(竹書房)には、そんな清水氏の決して野球エリートでなく、それでもプロ野球の第一線で活躍し続けてきた秘訣が綴られている。そこには高校球児にとってもとても気づかされるヒントが散りばめられている。今回は書籍の内容に即しながら、ご本人の言葉で気づきのヒントを拾い上げてみたい。