目次

[1]小学校で全国、中学校で全道を経験。網走の仲間と一緒に甲子園を目指す道を選んだ
[2]遠軽戦に打ち込まれた経験を夏に生かして

遠軽戦に打ち込まれた経験を夏に生かして



試合に勝利し笑顔を見せる石澤大和

 石澤にとって幸運だったのは、網走南ヶ丘の環境は、ポテンシャルを大きく伸ばす上で最適な環境だった。トレーニングに力を入れており、シーズン中でも週2回のウエイトトレーニングや体幹トレーニングを導入。また、食事トレーニングでは多いときにご飯を1日に2合から2合半を食べる。

 「食べないと筋肉もつきませんから」
 入学当時59キロだった体重は、3年春には71キロまで増量。今春、帯広農との練習試合で最速144キロを計測。1年秋から習得したスライダーも感覚を大事にして、高速スライダーへと昇華した。

 1回戦網走桂陽戦が終わり、2回戦遠軽戦へ向けて、「強敵で気が抜けない相手です」と警戒していた石澤だったが、厳しい結果が待ち受けていた。

 4回まで8失点を喫し、途中降板。その後、外野や一塁を守っていた石澤は8回途中からマウンドに登ったが、勢いに乗った遠軽打線を止めることができず、コールド負け。悔しい結果となった。石澤は「この試合では全て高めに浮いてしまい、全く修正できないままに終わってしまいました。低め低めに投げていれば…」と悔しさをにじませる。 

 夏まであと1ヶ月。石澤は「時間が本当にないので、投球練習では、ピッチングの幅を広げることにこだわりながら取り組みたい」と意気込んだ。

 この春はストレート、スライダーの球速も上がり、「レベルアップは実感できた」と語る石澤。あとは強豪校の打者にも通用するコントロールを身に付けること。

 憧れの投手は古谷 優人江陵-福岡ソフトバンク)。細身の体型から150キロ台の速球を投げ込む古谷の存在は刺激となっている。
 「最終的には古谷さんのような投手になりたいですが、今の自分にとっては程遠い方です」
 それでも…。自分の課題に向き合って、一歩ずつ成長を果たせば、この夏、全道大会に出場すれば…誰もが絶賛する投球を見せてくれるはずだ。

文=河嶋 宗一

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