目次

[1]冬のメンタルトレ、宇和島での1週間を超えて
[2]153キロ到達の道程と「新たな決め球」/前田健太投手のような「コントロール」で夏の頂点を

 昨年は創成館(長崎)に毎回16奪三振完封で衝撃の甲子園デビューを果たし、今年は侍ジャパンU-18代表一次候補入り。今秋のドラフト1位候補にも名が上がる西 純矢創志学園3年・投手・184センチ87キロ・右投右打・ヤングひろしま<広島>出身)。この春は県大会での登板はなかったが、ブルペンでは最速153キロをマーク。その後の招待試合でも1日2試合先発登板を果たすなどタフネスぶりを発揮している。

 では、ここまで西投手を急成長させた原動力とか?今回は今までほとんど明かされたことのない「冬の秘密トレーニング」を中心に、153キロ到達の道程について聴いた。

冬のメンタルトレ、宇和島での1週間を超えて


――西投手とは夏の甲子園取材以来のインタビューになりますが、まずは明らかに当時から身体が大きくなっていますね。

西純矢投手(以下、西)  はい。昨年の甲子園当時は184センチ81キロだったんですが、今は体重も87キロになりました。秋以降にランニングや臀部を意識したスクワットといったトレーニングを続けたことで下半身も安定するようになりました。

――この春、練習試合での登板を通じ、体重増加によって得られた効果をどう感じていますか?

西  ストレートについて言えば昨年の夏、秋は全力で腕を振らないといいボールがいかなかったのが、今はリラックスして7~8割の力で投げても140キロ後半が出る。
 投球フォームを特に変えたわけでもないんですが、これまでと伸びも違いまし、指のかかりも全力より7~8割で投げる方がかかりもよくキレも出ています。そしてバッティングでも高校通算本塁打16本(3月中旬現在)まで伸びました。

――体重増加、下半身トレーニングの他に取り組んだことはありますか?

西  秋の中国大会準決勝で負けてから、メンタルトレーニングを採り入れています。たとえばエラーした選手がいても「切り替えていこう」とプラスの発信を意識しています。
 野球は自分1人でできるわけではありません。仲間に対する意識も変わりました。

――実は、昨年末には愛媛県宇和島市の学校施設で合宿を張っていたそうですね。

西  はい……しんどかったです(苦笑)。1週間、朝6時から丸山運動公園という山の上でアップダウンのある施設の周りを走って、投手メニューも階段ダッシュや坂道ダッシュを30本ずつ。「死ぬような思い」は言い過ぎですが、それぐらいしんどかったです。
 でも、このメニューをみんなで「乗り切っていこう」声を掛け合ってできたことで、筋力もアップしましたし、それ以上に精神力も鍛えられました。