Interview

18番の重みと責任を一身に背負い、早川隆久(早稲田大)は力と技で優勝に導く

2019.05.14

18番に恥じない投球で1シーズン6勝を狙う

18番の重みと責任を一身に背負い、早川隆久(早稲田大)は力と技で優勝に導く | 高校野球ドットコム
早川隆久(早稲田大)

 「完封、完投は投手であれば目指すものですが、自分はまだそのレベルに達していないので、1イニングずつ丁寧に投げて抑えていった結果が完封リレーに繋がりました。」

 試合後にそう語ったのが早稲田大の背番号18・早川隆久だ。東京六大学リーグ戦の第5週・立教大戦に先発した早川は、序盤はランナーを出したが「1つずつ丁寧に抑えればピンチを凌げると思って投げ、無失点にまとめることができた」と振り返った。

 立教大のエース・田中誠也との左腕同士の投げ合い、7回3分の2を投げて32人の打者相手に被安打6、奪三振7、与四死球2。投手戦を制しチームに勝利を呼び込んだ。

 早川は今シーズン背番号18を背負い、3年生ながら文字通りエースの立ち位置となった。この番号について、「この番号は付けている人が最近いなかったので、重みや責任があります。なので、この番号に恥じない投球ができればと思います」と語る。

 今回の勝利で早川はシーズン2勝目を掴んだ。しかし早川が掲げる目標はもっと上にある。
 「残りの4シーズン全て6勝と小宮山悟監督に言われました。自分は目標を言ってもらえた方がやる気になりますので、その明確な目標に向けて頑張りたいです。」

 今シーズンより早稲田大は投手出身の小宮山監督が就任。プロの世界を経験する小宮山監督から学ぶことも多いはず。早川はここまで何を学んでいるのか。
 「前回の明治大戦は2アウトからあとアウト1つ、あと1球で打たれました。それは自分が勢いのままに投げているから相手打者が打ちやすい。そこで小宮山監督から間を作って考えさせたり、逆にどんどん投げて考えさせなかったり。ランナーがいなくても一発がある打者は間を作って考えさせたりと、技術面ではなく投球術についてアドバイスをもらいました。」

[page_break:力任せではなく、投球術でバッターと勝負する重要性]

力任せではなく、投球術でバッターと勝負する重要性

18番の重みと責任を一身に背負い、早川隆久(早稲田大)は力と技で優勝に導く | 高校野球ドットコム
2番手として登板した徳山壮磨に声をかける早川隆久(早稲田大)

 他にも野球への姿勢や早稲田らしい野球、早稲田の伝統を自分たちに継承させてくれるので、それを継承できればと早川は話した。

 早川は昨年、四国で行われた侍ジャパン大学代表候補者合宿に参加。精鋭が集まる中、他のリーグで活躍し自分より優れた投手たちから刺激を受けた。

 同時に東京六大学の先輩から『凄いボールを投げるのに、どうして打たれるのか』と言われたことに悔しさを感じた。そして打たれる理由は、「強気で投げてはいるが力任せの投球をしていることが原因で、投球術やメンタルに弱点があるため」だと考えた。

 それに気づいた早川は冬の期間に課題に取り組んだと話す。だが11日の立教大戦でも後半は力で行き過ぎてしまったことを反省し、いかに冷静に、力だけではなく投球術でかわし勝負するかが大事だと語っており、まだ工夫の余地がある様子だ。

 13日に行われた立教大戦でも先発した早川は、勝敗はつかなかったものの7回を投げて被安打4、失点1の内容にまとめた。昨年の候補合宿に呼ばれ自身の口からもエースと語るように、実力は十分備えている。雰囲気や話し方や立ち振る舞いから責任感の強さは感じられ、エースとしての器は持っている。あとはリーグ戦での実績を積み重ねていくだけ。

 小宮山監督に課せられた「シーズン6勝」のミッションをクリアし、チームの優勝に貢献したいところだ。

文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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