Interview

「打倒・作新」を胸に「制球力とキレ」を磨き続けた 松倉亮太(佐野日大)【前編】

2019.04.25

 4月20日に開幕した春季栃木県大会。春の栃木王者の称号を懸けて、熱戦をが繰り広げられている最中であるが、今大会での注目校と言えば秋季栃木県大会を制した佐野日大だ。

 昨秋は、エースの松倉 亮太を中心に、堅い守りを中心とした野球を展開して、5年ぶりに秋季栃木大会で優勝を果たした。

 今回は、佐野日大の秋季大会の原動力となった、エースの松倉 亮太にインタビューを行い、これまでの歩みや佐野日大での成長、そして春季大会、夏の大会に向けた意気込みを伺った。「ストップ・ザ・作新」を掲げるチームの、エースの素顔に迫っていく。

「作新学院を倒すチームはどこか」を考え佐野日大へ進学

「打倒・作新」を胸に「制球力とキレ」を磨き続けた 松倉亮太(佐野日大)【前編】 | 高校野球ドットコム
松倉 亮太

 栃木下野リトルシニア時代には、第44回リトルシニア日本選手権大会で優勝を果たし、リトルシニア日本一を経験した経歴を持つ松倉 亮太。輝かしい経歴を持つ松倉が、高校進学時に考えたことは、「今後作新学院を倒すのはどこのチームか」ということであった。

 「元々、栃木県内のチームに進もうと考えていて、当時は作新学院がずっと甲子園に出場していました。『作新一強』という中で、作新学院を倒すのはどこだろうと考えて、それが佐野日大だなと思って入りました」

 元々、反骨心の強い性格なのであろう。松倉のその大きな瞳からは、高いハングリー精神や不屈の精神を秘めているように感じられる。口調は穏やかではあるが、言葉を一つ一つ選ぶように丁寧に話し、熱い情熱や反骨心が随所に垣間見える。

 佐野日大に入学直後は、先輩たちのプレーや投球にとても驚いたと振り返る松倉だが、ここでも持ち前の反骨精神で、必死に食らいついていく。

 「先輩方は技術も体力も、自分に足りてないところがすべて出来ているなと感じました。特に自分は、体が小さく線も細かったので、ウエイトと走り込みは意識して量をこなすようにしました」

 そんな、松倉の地道な努力については、麦倉洋一監督も認めるところだ。トレーニングだけでなく、走り込みも重要視している麦倉監督は、松倉が自ら率先して走り込みを行ったところに成長の秘訣があると考えている。

 「とにかくピッチャーを走ることが大事だと思いますが、松倉は自分で走るを増やしていきました。だんだんこっちがやってほしい練習を、自分でやるようになったところに成長の要因があると思います」

[page_break:制球力と球のキレを向上しチームの中心選手へ成長]

制球力と球のキレを向上しチームの中心選手へ成長

「打倒・作新」を胸に「制球力とキレ」を磨き続けた 松倉亮太(佐野日大)【前編】 | 高校野球ドットコム
ティーバッティングを行う松倉亮太(佐野日大)

 松倉の地道なトレーニングの成果は、数字でも明確に証明されている。入学当時は、60キロ程しか無かった松倉の体重は、現在では69キロ程に上昇。球速も入学当時は130キロ程度だったものが、現在では常時130キロ中盤を記録するまでに成長した。

 成長が数字で明確に表れてきた松倉であるが、松倉自身が一番成長したと感じるところは制球力であると語る。栃木下野リトルシニア時代は、コントロールが悪い投手だっと振り返る松倉は、高校入学後に制球力と球のキレが向上し、現在ではそこが自身の最大の持ち味にもなったと語る。

 「中学時代は、けっこう力んでストレートを投げていて、組み立てもストレートが中心でした。高校で変化球を覚えてからは、力を抜いてリラックスして投げれるようになり、制球力も上がってきました。その感覚を覚えてからは、ピッチングがかなり楽になりましたね」

 制球力と球のキレという大きな武器を手に入れてからは、松倉は練習試合でも結果を残すようになってきた。Bチームではエース格として奮闘し、その実績を認められて2年生からはAチームにも合流するようになる。夏の大会ではベンチ入りを果たし、2回戦の栃木翔南戦では7回を1失点に抑える好投で勝利投手にもなった。

 麦倉監督は、松倉の成長への手応えを口にし、そして夏の大会での成長が秋季大会へも繋がっていったことを強く語った。

 「松倉は、夏大会で上級生に混ざって良いピッチングができたことで、それが秋の大会での自信になったと思います。球も特別速い訳ではないですが、ボールのキレやコントロールが武器になって、新チームは松倉中心のチームになりました」

前編はここまで!後編では、秋季栃木県大会で優勝を果たした要因や、夏に向けた意気込みを伺いました。後編もお楽しみに!

文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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