高校通算31本を支えるのは確かな準備!生沼弥真人(早稲田実業)が見据えるもの
キューバでの収穫、そして打撃を支える目
生沼弥真人
昨秋は都大会ベスト4に入った早稲田実業。東京代表に選出されたエース・伊藤大征や主将の生沼弥真人を中心に勝ち上がった。
今春の都大会は第3シードして優勝候補の1つに数えられながらも、準々決勝で都立小山台に7対6で敗戦(試合レポート)。夏のシード権は確保したものの優勝には届かなった。
整列後、険しい表情でベンチに引き返してきた生沼主将。「こっちの細かいミスが試合の流れを変えてしまった要因だと思います。チーム全体として取られるべくして取られる点数だった」と試合を振り返った。
責任感が強い生沼主将は昨年の東京代表ではチームの主将を任されたが、「キューバ遠征では声の掛け方など今日の試合のような苦しい展開での心の持ち方などを多く学べました」と技術以上にメンタル面での収穫を感じていた。
精神的に成長した生沼主将はこの試合、敗れたもののホームランを放った。4回戦の法政大高戦(試合レポート)に続き2戦連続のホームランで、高校通算は31本にまで到達した。4番として夏までにどれだけ量産するのか楽しみの1つであるが、その生沼はネクストバッターサークルでバットを振る前に、あるルーティーンを行っている。
動体視力の準備運動をしている生沼弥真人
目の前で両手の指を1本ずつ立てて、ただ見つめる。一見、何をやっているのかと思ってしまうが、「あれは動体視力を良くする運動です」とその効果を話す。
目を起こす意味で、ルーティーンとして取り入れていると生沼主将は語る。都立小山台戦は3打数1安打2四球に終わったが、凡退した2打席はサードへ鋭いライナーを放っていた。生沼はスイングそのものも速いが、それを支える確かな準備があったのだ。
生沼に残された大会は夏の大会のみ。「目標は甲子園優勝ですが、チームの課題はまだまだたくさんあるので残り2か月頑張ります」と意気込みを残した。
新元号・令和最初の全国制覇に向けて生沼の目は既に前を向いている。
文=編集部