野球だけじゃない!人間的魅力も詰まった遊撃手「柏木」の魅力 柏木寿志(九州文化学園)
柏木寿志(かしわぎ・かずゆき)、九州文化学園のキャプテンにして、学校では生徒会副会長を務めるなど、その人望をうかがい知ることが出来る。話してみると、受け答えのしっかり出来るとても気持ちの良い子だった。そんな柏木に九州文化学園に入学を決断した理由から将来の目標までを聞いてみた。
九州文化学園入学は、兄の影響
ガッツポーズをする柏木寿志(九州文化学園)
柏木は9人兄弟で、男の子は全員野球、女の子はソフトボールという野球一家の中で生まれ育った。柏木が野球をやるのは自然の流れだったのかもしれない。その中で義務教育が終わり、自分の意志で高校を決め入学する時に、柏木は九州文化学園を選んだ。
選んだ理由は、兄の影響もある。柏木の兄が九州文化学園の野球部を卒業している。
「兄ちゃんがここ(九州文化学園)に来て、夏の大会ベスト4だったんです。その時に自分も試合を見に来ていて。他の高校とも雰囲気が全然違って柔軟なイメージがあって、自分がやりたいこと、自分が高めたいことも、自分たちでできるような、自由な高校だなと思って。面白そうだなと思ったのが一番のきっかけです」
こうして、九州文化学園の野球に魅せられるように入学を決めたのである。
九州文化学園に入学
古賀 豪紀監督(九州文化学園)
入学した柏木は、古賀 豪紀(こが・ひでとし)監督との出会いについて自分を成長させくれるという表現をしている。その理由としてこのように話してくれた。
「兄ちゃんがいて、入学前に独特の雰囲気と言ったんですけど、確かに監督は他の人たちと考えが違って、そんな違う思考が、自分の中でも他の考え方もあるなあと気付きにもなるんで。監督は自分を成長させてくれるような、考えさせてくれるような存在です」
柏木は、古賀監督との出会いによって、新しい考え方を知れたと言っている。「新しい考え方」と表現できるのは、柏木が自分の考え方がしっかりしている持っているからこそ言える表現である。
その事が分かるもう一つのエピソードがある。
柏木は入学後古賀監督と自分の意見の食い違いがあり、話し合ったことがあると話してくれた。
「練習の中で自分がやりたいなと思ってたのが監督と考え方と少し違って。食い違いと言うか、ただ話し合って。それはそうだなと思いました」
チーム内で、意見の違いを監督に言える雰囲気があるという点も興味深いが、ここでは柏木が自分の意思をキチンと持っているということを強調しておきたい。
このような話を聞くと、なぜ柏木がキャプテンであり、学校では副会長をしているかがよく分かる。
九州文化学園は、夏の背番号は総選挙で決める。欲しい背番号で立候補する、そして複数の立候補がいると、各選手1票の投票で背番号を決めるのである。柏木は2年生の時に背番号6で立候補した。そして誰も手を上げることなく無投票で決まった。
古賀監督は言う
「今のキャプテン(柏木 寿志)なんかは2年生なのに背番号6。欲しい人は前に来なさいって言うんですよね。3年生も来ないし1年生も来ないし。上級生もこないんですよ。もう、こいつにはかなわないと、そういう選手にならなくちゃいけない。人間的にも全て野球の実力も全ていいから誰も来ないですよね」
総選挙からも柏木の人間性が読み取れる。
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U18代表入りが目標!
2018年にU18に選ばれた奈良間 大己(常葉大菊川-立正大)
そんな、柏木に今後の目標を聞いてみると、具体的な答えが帰ってきた。
「自分の目標としてはU18に選ばれたいなと思っています。そのためには自分も憧れている奈良間 大己 (常葉大菊川)選手みたいになりたいです。2018年にU18に選ばれていて、奈良間選手が夏の地区予選で打率が8割超えていて、甲子園でも結果を出していた。だから自分も奈良間選手みたいに夏の地区予選とかで打率も稼いで、[stadium]甲子園[/stadium]に出て活躍してU18に選ばれたいなと思っています」
「夏はやっぱり全国的に一番注目されると思うんです。[stadium]甲子園[/stadium]に出て、結果を残すことによってまた注目されるんで、夏の地区予選から打率をバンバン稼いで、8割超えを出して[stadium]甲子園[/stadium]でしっかり結果を出しいです」
柏木は、奈良間のプレーに憧れている。
「奈良間選手のように、小さいですけどプレイが派手で何に対してもがむしゃらにやっていて、泥臭い野球と言うか、『プレイだけで周りを上げられる』ような選手になりたいなと思っています」
実に柏木らしい答えである。まず目標があり、目標の為の指標を作っているのである。夏まで約3ヶ月、人間性と野球の両方を兼ね備えた柏木は目標に向かって歩み続ける!
編集後記
ここでは、全て伝えられなかったが、打撃・守備ともに正確な目標を持っていた。守備のフットワークや、バッティングでは率を上げるために大事なことなど、そんな選手だからこそ今後の成長に期待せずにはいられない。
文=田中 実