目次

[1]大きな経験を積んだ2年生の秋
[2]偉大な先輩を超えた外野手となる!

 3年ぶりのセンバツ出場となる龍谷大平安。昨夏の経験者が少ない新チームで新戦力として台頭したのが中島 大輔(新3年)だ。夏まではベンチ外だった中島だが、新チームになって台頭。1番センターの座を掴み、チームの甲子園出場に貢献した。

 50m走が5秒9という俊足の中島はどのようにして定位置を獲得したのか。表舞台に立つまでには知られざる苦悩があった。
 前編ではケガとの闘い、そしてコンバートとの苦悩に迫った。後編では近畿大会の戦い、さらには中島が目指す選手増に迫った。

 龍谷大平安に現れた俊足好打の1番打者・中島大輔(龍谷大平安)【前編】

大きな経験を積んだ2年生の秋


 近畿大会では1回戦から桂田 拓都天理・新3年)、岩本 真之介市立和歌山・新2年)、清水 大成履正社・新3年)と左腕との対戦が続いていた。「左投手は少し苦手意識はあります」という中島にとっては苦難の日々。それでも決勝の明石商戦では3安打を放って1番打者としての面目を保った。中島は秋の公式戦で最も印象に残っているのがこの明石商戦だという。

 「こんなに緊迫した試合は初めての体験だったので、緊張しました。自分がどうにかできないかなと思ったんですけど、一人の力では無理だということもわかりました。全員で一つになって勝てた試合かなと改めて思いました」

 京都大会から接戦を勝ち抜いてきた龍谷大平安だったが、近畿大会の決勝で延長12回の大激戦はこれまでとは違った雰囲気を感じていたのだろう。公式戦デビューからの2ヶ月は中島にとって大きな経験値となった。

 秋の公式戦が終わり、シーズンオフの冬へと突入した。中島はセンバツに向けての課題をこう話す。

 「バッティングでは力がなく、スイングが弱いことが自分でもわかりました。この冬で体重を増やして、スイングも強くするということをやっています。守備では肩を痛めて送球が弱いところもありました。春はそんなことも言っていられないので、しっかり送球を強くすることを心掛けています」

 攻守ともに力強さを求めて冬の練習に取り組んできた中島。原田英彦監督は「走ったら速いし、ミート力もある」と中島のセンスを評価している。この冬でパワーアップした姿を見せることができれば、チームとしても大きなプラスをもたらすことになるだろう。