目次

[1]研究し続け気づいた優れた打撃動作
[2]どんな形でも1点を取っていくことにこだわりたい

 初の甲子園出場の大分。選手からも、指導者からも「打撃技術はチームナンバーワン」と評価されるのは、4番ファースト・中尾 拓士だ。懐が深い構えから滑らかなスイング軌道で長打・巧打を打ち分けるバッティングで大活躍。

 昨秋は練習試合では打率.411、6本塁打。公式戦ではチームトップの13打点を記録している。ここまでチームトップの通算16本塁打を放ち、打線のキーマンとして期待される中尾に打撃のこだわりやセンバツに向けての意気込みを聞いた


研究し続け気づいた優れた打撃動作


 「自分は長打、好打も打てて、状況判断が長けた打撃ができる対応力の高さが一番のウリだと思います」と毅然とした表情で言い切る。その自信の裏は、常にバットを振り続ける姿勢にある。

 今ではチームトップの本塁打を放つ中尾だが、大分中時代は「体も小さく、長打も打てない選手でした」と振り返る。中尾が賢かったのは、小さい体だから小さくまとまるのではなく、しっかりと全身を使って振り切ろうと意識したことだ。
 「体全体を使って振ることを意識しました。いずれ体が大きくなった時、遠くへ飛ばせるのではないかと思ってやってきました。実際に学年が上がるにつれて飛距離は伸びるようになってきました」

 また、打撃力向上のために研究を怠らなかった。大分入学後、1年冬からさらに研究しないといけないと考えた中尾は技術本を読んだり、動画サイトではプロ野球選手の打撃フォームをスローモーションで再生し、一流選手の優れた動作の共通点を探しだした。

 「強打者の共通点がインパクトの時に右ひじ(右打者は左ひじ)が伸び切っていること。あとはスイング軌道の修正です。よく上から出せといわれていたのですが、プロ野球選手の打撃フォームを見ると上からたたく人はいなくて、肩の下からレベルスイングすることを意識しました」

 特に参考にしたのは糸井嘉男(阪神)だ。
 「自分のお手本ですね。打撃スタイルは参考にするようになりました」
 この取り組み高校2年生になってから打撃が本格化。チームの4番打者として欠かせない存在へ成長。今ではチームメイトに教える存在までになった。
 「打撃理論や打撃について考えることは誰にも負けたくないと思っています」