目次
[1]明豊との試合でつかんだもの
[2]8割の力でも140キロ台を連発!

 大分の各校を取材すると、多くの学校が日高を警戒している。ある学校の監督は「憎たらしいぐらい目ざとさを持った投手で、ボールも速くて、変化球も良い。敵ながらあっぱれです」と語るほど。前編では日高 翔太のクレバーさに迫ってきたが、後編では明豊戦で発揮した緻密な駆け引きを行った投球術や進化を見せたストレートを語りたい。

 小さな大投手・日高翔太(大分工)。ウリは「動きを言語化できる抜群の野球センス」【前編】

明豊との試合でつかんだもの


 注目の明豊戦。試合前、明豊打線のレベルの高さに不安な心境だった日高だが、この試合でも持ち味の投球センスの高さを発揮する。
 「この試合のテーマはいかに緩急が使えるか。スイングが速い打者が多かったので、チェンジアップもうまく使えたのですが、さらに僕は球速が遅いストレートも使いました。ストレートと同じ腕の振りで少しだけ球速と落とすのですが、これがうまい具合にはまってくれました」

 また怪物打者・濱田 太貴に対しては「初打席、カーブで空振りを奪ったのですが、非常にスイングが速くて、簡単に攻めたら打たれると思いましたので、モーションに変化をつけました。クイックで投げたり、いつもよりゆっくり投げたりと工夫をしていきました」

 5回まで3失点を喫していたが、創意工夫を凝らしたピッチングで6回以降は無失点ピッチングを続け、延長戦まで持ち込んだ。延長11回表に勝ち越し点を与えたが、日高にとっては投手としてのスキルを大きく高める試合となった。

 「打者との駆け引きはこの試合で学ぶことができましたし、延長11回でばててしまったように、体力面が課題となった試合でした」

 夏の大会を糧にさらにステップアップし、秋の九州地区予選に臨んだが、準々決勝で日本文理大附に敗れてしまった。
 「この試合は雨が降っていて、スライダーが全く曲がらず、ストレート主体になったのですが、力みすぎてしまい、甘く入ったところを打たれてしまった試合でした。制球力、投球術などに課題が出た試合となりました」

 こうして迎えた冬場はもう一度、フォームや投げる感覚を見直した。すると、日高のストレートは本人でも驚くほどの成長を見せていたのだった。