勝てる投手へと、さらなる高みへ上がるために!小林 珠維(東海大札幌)・後編
今まで2回にわたって東海大札幌の146キロ右腕・小林珠維投手。最終回では首脳陣から見た小林投手の印象。また小林本人には意外な一面ついて話してもらいました。
「明確な目的」でブレない行動!魅力ある大型右腕・小林 珠維(東海大札幌)・前編
夏までに最速153キロを目指す!投打に注目、小林 珠維(東海大札幌)・中編
勝てる投手へと、さらなる高みへ上がるために!
小林 珠維(東海大札幌)
大脇 英徳(おおわき・ひでのり) 監督は、小林 珠維(こばやし・じゅい)が更に成長するために、好不調の波を以下に減らせるかがポイントと考えている。
同校の山本 浩司コーチも
「良い時は良いんですよね。後は、しんどい時にしんどいのを出さずにグッと堪えられるようになってくると、振れ幅が小さくなると思います」と、好不調の振れ幅をいかになくすかについて話してくれた。
では、小林の現在地については、どう考えているのだろうか?
大脇監督は、「実際今そこは変わりつつあると思いますね」と小林の変化を感じ取っている。山本コーチも「責任感が出てきたとは思いますね。感情での振れ幅が随分小さくなってきたかな」と、目標を持って過ごしている小林の変化に気がついている。
夏までに、波を更に減らせば小林は手のつけられない大投手になっているに違いない。小林の今後の投球から目が離せない。
[page_break:負けず嫌いの小林のライバルは?]負けず嫌いは子供の時から
キャッチボールをする小林 珠維投手
小林の幼少時代の興味深いエピソードがある。
「3つ上の兄(小林 由來(東海大四卒・北海学園大学))がいて、自分がピッチャーで兄がバッターなんですけど、小・中学時代に対戦というか、ちょっと投げるから打ってとお願いしていました。それで投げると打たれるんですけど、負けたくないので、泣きながらもう一回と頼んで、それでもやっぱり抑えられなかったので、もう一回挑戦したいなぁと思います。今なら抑えられます」
生粋の負けず嫌いなのである。言い方によっては、諦めが悪いとも言えるが、これこそが小林の才能の一つであると確信している。ともすれば簡単に諦めてしまうような場面でも、乗り越えようとするのである。目標を掴み取るまで消して諦めない信念は、台風の目となり周りを巻き込んでいく大きなパワーとなる。小林にはそんな魅力を感じる。
負けず嫌いの小林のライバルは?
貪欲に成長を求める小林 珠維投手
そんな負けず嫌いの小林にライバルを聞いてみた。
「西原 健太(札幌大谷)です。(小学校の頃の)ファイターズジュニアの時に一緒だったんです。でも今は有名投手になってしまって、ちょっと悔しいです。負けられないです!
一番最初の出会いはファイターズジュニアのセレクションで、練習会の時に隣で投げていていました。デカかったし、もちろん球も早くてこういう人が受かるんだなと思いました。その後、お互いにセレクションで受かってメンバーになりました。親同士も仲が良いんです。僕らも会話していくうちに仲良くなっていきました」と、道内では友でありライバルの西原の名前を上げてくれた。
もちろん、小林は西原も超えていく気だろう。プロ野球選手になるために小林は貪欲に成長し続ける!
編集後記
「正月明けてから、体重はもうちょっとあったんですけども(取材時は84.5kg)、今ちょっと3月の奄美大島の遠征に向けて、少し減らして瞬発力をつけようかなと思っているところです」と、これからの遠征に向けてのコンディショニングも話してくれた。目標の中にきちんと時間軸を入れているのも、小林の非凡な才能だと思う。
文=田中 実