Interview

ハイレベルの環境が磨き上げた技術!川端晃希が大阪桐蔭で吸収した捕手理論 vol.2

2019.02.05

 今年から徳島インディゴソックスでプレーする大型捕手・川端晃希選手。大阪桐蔭から同志社大学、そしてJFE東日本と進んだ川端選手の野球人生に迫ったインタビューのvol.1では、野球を始めたきっかけから大阪桐蔭入学までを語ってもらった。今回は大阪桐蔭時代にフォーカスしていく。

大阪桐蔭から徳島へ!期待の大型ルーキー・川端晃希が痛感した超名門の厳しさ vol.1

大阪桐蔭で培った攻守の技術

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川端晃希選手

 聞いただけで圧倒される練習量をこなし続けた川端晃希選手は捕手出身。経験がモノをいうポジションだが、意外にも大阪桐蔭に入学してから本格的に取り組み始めた。
 「西谷先生からは配球に関する記事を頂いて、コーチの田中先生もキャッチャー出身の方なのでキャッチャーについて配球、技術とすべてにおいて1から教えていただきました。」

 川端選手自身も語っていたが、高校まで何も学んでいなかったからこそ持論がなく、素直に吸収することができた。
 具体的に配球の話を例に学んだことを聞くと、「投手の調子、データ、試合の状況の3つ大切にしていて、この3つをひっくるめた状況判断を大切にしています。簡単に言えばバッターそれぞれに3択問題があって、それが27回続くなかで当てはめていく感じです。」

 一方の打撃。大阪桐蔭といえば攻撃陣に注目が集まる中で、川端選手は当時中軸に座り強力打線を牽引した。首脳陣からどんなことを教わったのか、その技術論を聞くことができると思ったが返ってきた答えは意外だった。

 「打撃に関しては大阪桐蔭に入って指示されたことは無く自己流というか。ボールを強く叩けと言われたことはありますけど、フォームをこうしろとかは言われることは無かったので基本的に全員自己流だと思います。
 ただ西谷先生からは脱力を教えていただきました。バットを揺らす選手が多いと思うんですけど、あれを教えていただきました。そして鞭のようにバットをしならせてと言われました。」
 2018年の高校野球界を沸かせた大阪桐蔭のメンバーも、構える前に打席の中でやっていた仕草。それには明確な意図をもって取り組んでいたのだ。

[page_break:毎日の試合が川端晃希のレベルを引き上げた]

毎日の試合が川端晃希のレベルを引き上げた

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大阪桐蔭時代について語る、川端晃希選手

 大阪桐蔭で攻守を磨き続けた川端選手が当時の練習で大事にしていたのが、シートバッティングだった。
 「とりあえずレギュラーを抑えてアピールしようと思って、多くの投手とコミュニケーションをとりましたし、時にはレベルの高い先輩とも組めるので、配球やキャッチングの上達にもつながりました。」

 各レギュラーが5打席ほど立つ中で、川端選手はキャッチャーとして打者一巡くらいマスクを被れた。そのおかげで60球から70球くらいは受けられる。つまり試合に置き換えれば毎日、3イニングから4イニングくらいの経験はできていた。
 しかも相手は全国区の大阪桐蔭でスタメンに名を連ねるスラッガーばかり。その打者を抑えるために創意工夫を凝らす。高いレベルの選手同士で刺激を与えあうことで相乗効果をチーム内にもたらしたのだ。

 厳しい環境に身を置いた川端選手。しかし仲間と切磋琢磨を繰り返したおかげで、2年生の春に出場した選抜の時はベンチ入りを果たした。1つ上には千葉ロッテマリーンズに行った江村直也がいたので試合には出場ならなかったものの、
 「大勢の前で野球をするという雰囲気を感じられた。あのグランドに立ちたいという思いは強くなりました。」と自分たちの代でまた戻ってくると決意が固まった。

 しかしその夢は叶わず、最後の夏は決勝戦まで進むも、東大阪大柏原相手にサヨナラ負けで甲子園を逃す苦く、辛い経験をした。

 敗戦直後、西谷浩一監督の言葉が思い浮かんだ。
 「西谷先生の教えである1球の大切さですね。本当に1球で負けてしまったので、野球の怖さというのを感じました。負けた時はなんでこれだけやって勝てないのだろうということもありましたが、それは何か自分たちの中でやり切れてないことや断ち切れてないものがあるからだと気づかされました。」

 vol.2はここまで。最終回は大阪桐蔭卒業後に進んだ同志社大学への進学のキッカケ。そして今春からプレーする徳島インディゴソックスでの目標を伺いました。vol.3もお楽しみに!

文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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