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第891回 150キロは目前。藤本竜輝が追求する「下半身主導フォーム」と「ボールの回転数」【後編】2019年02月08日

【目次】
[1]プロを予感させる原石を正しく磨くために
[2]高校ラストイヤーに向けて
兵庫の公立の雄、社の投手陣をけん引する藤本 竜輝。昨秋は自己最速スピードを2キロ更新する147キロをマーク。チームの県4強入りに大いに貢献した。2019年はいよいよ高校ラストイヤー。伸びしろがふんだんに残る逸材右腕に話を聞くべく、兵庫県加東市に位置する野球部グラウンドを訪れた。
前編では昨年の秋季兵庫県大会、そしてこれまでのルーツを振り返ってもらったが、後編では、高校入学後のエピソードや夏の甲子園に向けての意気込みを伺っていく。
プロを予感させる原石を正しく磨くために

ノックを受ける藤本竜輝(社)
「原石だと思いました。磨けばものすごい輝きを放つ原石だなと。プロを予感させる原石だなと」
山本巧監督は藤本の第一印象をそう語った。
「とにかく笑顔がよかった。野球が大好きであることが伝わってくる笑顔だなと思いました。故障歴もなく、ヒジも肩も健康。中学までに彼がお世話になった指導者の方々に感謝しましたね」
入部まもない4月の練習試合で142キロをマーク。しかし山本監督は「フォーム矯正の必要性をすぐに感じた」という。
「簡単に言えば上体で投げていた。地肩が強く、上体だけでもそこそこの球を投げられてしまうのですが、故障防止の面でもパフォーマンス向上の面でも修正は不可欠だと判断。テークバック時に右腕が大きく一塁側に入ってしまう点、右肩が下がってしまう点を軸にした矯正の必要性を本人に伝えました」
藤本が回想する。
「小、中時代は上半身だけで投げていた感覚が自分の中にもありました。でも上半身だけで投げるフォームでは早々に限界が来てしまう。監督からいただいたアドバイスにはすべて耳を傾け、改善を試みました。特にテークバック時に下がっていた右肩を下げず、両肩を並行にした状態で前に出ていけるフォームに改良できたことは、大きかった。スピード面でもコントロール面でもプラスに働いている感覚が自分の中にあります。今ではかなり下半身主導で投げられるようになりました」
下半身主導で投げるために大切にしている意識を尋ねたところ「上げた左足の親指をセンターに向け、お尻からホーム方向に出ていくこと」という答えが返ってきた。
「ホーム方向に出ていくときに左足の裏をキャッチャーに見せながら、ホームに近い地点に着地するイメージを持つようにしたところ、実際に歩幅が広がり、スピードも上がりました。横を向いている時間が長くなることで体の開きが遅くなるメリットも感じています」

- 藤本 竜輝(ふじもと・りゅうき)
- ポジション:投手
- 身長体重:181センチ74キロ
- タイプ:右投右打
- 兵庫教育大中-社