Interview

求道者・熊田任洋(東邦)が望むのは全国最多のV5!【後編】

2019.01.18

 今年の東邦に欠かせない4番打者へ成長した熊田任洋東邦)。前編では努力家になるまでの背景を描いた。後編ではドラフト候補・石川昂弥の後を打つ4番打者を任されるにあたって、本人はどういう心境で日々の試合に臨んだのか。そして選抜へ向けての課題を聞いた。

【前編】4番熊田任洋(東邦)はチーム一の求道者!経験を力に変える学習能力の高さ

つなぎの4番になることを決断した

求道者・熊田任洋(東邦)が望むのは全国最多のV5!【後編】 | 高校野球ドットコム
4番としてチームを牽引する熊田任洋

 熊田は春夏甲子園出場を目指して、さらなるレベルアップを目指した。夏では決勝まで6試合、23打数7安打の活躍を見せたが、決勝戦で敗退。甲子園出場を逃した。その悔しさを晴らすために新チームでは自分がチームをひっぱっていくと心に決めた。
 「力が及ばなかったので、新チームになって僕と石川(昂弥)が中心となってやっていくだろうと思っていたので、絶対にセンバツ甲子園に行きたいと思いました」

 そして4番を任されるようになった。最初は力が入ったという。
 「最初はものすごく意識しました。昂弥はバッティングは凄いですし、ホームランを打った時の飛距離は凄いと思いますし、そのあとの打席に入った時にいろいろ考えたりしてしまいました」

 その中で自分ができることは何か。自分が求められる4番打者像は何か。熊田の答えは「つなぎの4番」になることだった。
 「自分はミート力が売りだと思うので、昂弥が大きいのを打ったら自分は昂弥を返す考えで打席に立つようにしています。セーフティーバントを試みてみたり。自分が塁に出てかき回すという気持ちでやりました」

 秋の大会では好打・強打を発揮。東海大会では13打数5安打、打率.385、4打点を記録し、大逆転を生んだ中京学院大中京戦でも9回裏、反撃の口火を切る中前安打。神宮大会でも、敗れたものの適時打を打つなど4番打者としてチームを牽引した。

[page_break:攻守両面で高いレベルを突き詰め、チームの要として活躍する]

攻守両面で高いレベルを突き詰め、チームの要として活躍する

求道者・熊田任洋(東邦)が望むのは全国最多のV5!【後編】 | 高校野球ドットコム
インタビューを受ける熊田任洋

 さて、そんな熊田だが打撃、守備でどんな課題があり、その克服へ向けて動いていることは何か。

 まず打撃はタイミングの取り方を課題にしている。神宮大会では一度足を挙げてからいったんおろし、投手の動作にシンクロしながら打ちに行く打撃フォームが特徴的だった。今はこのタイミングの取り方はしていない。
 「先にタイミングを早く取ろうと思って、構え遅れが無いようにしようと思ったら、神宮大会ではあのような打ち方になりました。でも今はやっていないです。自分にとってどれがタイミングを取るのに最適な打ち方なのかを探しているところです」

 そのためティーバッティングでも工夫を加えている。横から投げてもらったり、体を開いて打つティーバッティングを行ったり、スタンドティーを置いてポイントを変えながら打ったり、長尺バットを使ったり、種類は豊富だ。
 「ティーは自分の調子に合わせていろいろやります。体が突っ込んだり、開いたりするときもありますので、自分が気付いた課題を修正できるようやっています。スタンドティーはこの冬から取り組んでいますね。やはり打てないと勝てないので、打撃のほうを重点的にやっています」
 守備では守備範囲の広さ、肩の強さ、持ち替えの速さに自信を持っていおり、グラウンドの状況を確認しながら、何が最善の動きなのかを確認する。雨の中の戦いとなった明治神宮大会ではグラウンドが滑りやすいので、その滑りやすさを生かして、打球を捕球にして、好プレーを見せた。ただ神宮大会ではうまく握れず、ミスする場面があった。

 課題については「スローイングの正確さと球際です。捕ってからスローイングまでの動きがまだスムーズではないので、スローイングにも正確さが出ていないと考えています。そのため普段の守備練習から足の使い方は意識してやっています」

 打撃、守備ともに意識、動作まで踏み込んで答えることができる熊田の意識の高さには頼もしさを感じる。選抜へ向けて意気込みを聞くとこう答えた。
 「チームは最多の5回目の優勝を目指してやっているので、自分は4番と遊撃守備の要であるショートを担わさせてもらっているので、自分が下を向いてはいけないと。下を向かずに、9回の最後の最後まで自分の出せる力を出し切っていきます。センバツで課題が見つかったら、また夏に行って優勝すればいいので、頑張ってやっていきたいです」
 前向きに目標を語った熊田。二度目の甲子園を迎える今年の選抜では、一気に自分の名を広げる活躍を見せていくつもりだ。

文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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