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第882回 日本テレビ・上重聡アナウンサーが語った「松坂世代」と「未来の高校野球」への思い2019年03月03日

【目次】
[1]延長17回を戦った夏の準々決勝は「ご褒美」
[2]延長17回の試合を越える試合が出てきて欲しい一方で
2018年12月に、日本テレビの上重聡アナウンサーが上梓した「20年目の松坂世代」。上重アナウンサーが松坂大輔投手を中心に、プロ入りした「松坂世代」の選手10名にインタビューしたこの著書は、野球ファンにはたまらない一冊となった。
今回は、そんな上重アナウンサーに独占インタビューを行い、高校野球史に残る死闘を繰り広げたPL学園高校時代や、「松坂世代」の仲間への思いを語っていただいた。
延長17回を戦った夏の準々決勝は「ご褒美」

延長17回を戦った夏の準々決勝は「ご褒美」
「憧れだったPL学園というところに入って、あのユニホームを着た瞬間というのは今でも覚えています。鏡で自分の姿を見て、PLの文字をなぞったあの瞬間が忘れられないですね」
話は「伝説の死闘」よりも少し前に遡る。
高校野球の名門・PL学園のユニホームに初めて袖を通した時のことを思い返し、上重アナウンサーは懐かしむしように優しい笑顔で語り始めた。
今では「伝説」として語り継がれる激闘も、すべてはこの些細な喜びから繋がっていったのだ。
「やっぱり高校時代の思い出も、春(選抜)に準決勝で横浜の松坂に負けて『こんなに凄い奴らがいるのか』というところから「打倒・横浜」、「打倒・松坂」が始まりました。
夏までやったあの期間というのは、本当にかけがえのないものですね」
上重アナウンサーは、延長17回を戦った夏の準々決勝を「ご褒美」と表現する。そう表現するのも、「打倒・横浜」、「打倒・松坂」を掲げた春から夏までの間の壮絶な努力があるからだ。
WBCの歓喜!松坂世代の選手と共にシャンパンファイトを味わう

高校時代の思い出を語る上重アナウンサー
そんな上重アナウンサーが、大学卒業後にアナウンサーの道を志したのも、何かしらで松坂大輔投手に、松坂世代のプロにいくであろう選手達に関われたらという思いからだった。「本当になれるとは思わなかった」と語る上重アナだが、それでも野球をやってきた経験は、アナウンサーという仕事に大いに役立っていると語る。
「アナウンサーの仕事ってピッチャーと凄く似ています。登板日がアナウンサーで言う実況の日だとすると、どういった準備を積み重ねて本番を迎えるか、放送席に座ったらマウンドと同じように開き直って、いかに臨機応変に対応していくか。そういった所は、アナウンサーと似ているところがあるなと感じますね」
そして「松坂世代に関われたら」という思いは現実となる。
第1回WBCでは、日本テレビが決勝を放送することとなり、上重アナウンサーはサンディエゴのペトコ・パークへと向かった。日本代表は見事優勝を果たし、上重アナウンサーはシャンパンファイトで選手にマイクを受けるという大役を任され、松坂投手を含めた同級生の松坂世代の選手と共に、シャンパンファイトを味わうことが出来たのだ。
「アナウンサーという違う立場ではありますが、同級生と世界一の瞬間を共有できたというのは自分にとっては凄く大きかったですし、アナウンサーになって良かったなと思いましたね」
20年目の松坂世代
ISBN:978-4-537-21624-0
価格:本体 1,998円+税
項目:319P
発売日:2018年12月14日
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