Interview

自他ともに認めるスローイング・金良キャノンに注目! 金良 涼介(沖縄水産)

2019.01.04

 上原一帆國吉吹のダブルエースをリードし、秋の沖縄を制した沖縄水産。その扇の要が金良涼介である。中部商糸満を[stadium]甲子園[/stadium]に導き、現在沖縄水産を指導する上原忠監督に、「僕が見た中でもトップクラスのスローイング」と言わせる金良とはどんな選手なのか?

自他ともに認めるずばぬけたスローイング

自他ともに認めるスローイング・金良キャノンに注目! 金良 涼介(沖縄水産) | 高校野球ドットコム
強肩捕手・金良 涼介(沖縄水産)

 「肩には自信があります。相手に盗塁されたくなくて、自分で刺してピッチャーを助けたいので」と話してくれた金良。

 捕手が投球を受けてから、二塁ベース上の野手のグラブに送球が収まるまでの時間は「ポップアップタイム」と呼ばれる。高校生だと、「ボップアップタイム」が1.9秒台前半でも十分に速いタイムだが。 金良は、練習で1.8秒台というタイムを出している。

 数字で見ると金良の、捕球してから、送球する一連のスローイング技術の高さが分かる。

 上原監督は金良の送球を、「本当にボールが直線ですーっと、そこが特に光っている」と評する。その表現で思い出されるのが、甲斐 拓也(福岡ソフトバンクホークス)である。

 もちろん、金良の目標とする選手は、甲斐である。

 「身長があまり高くないですが、肩が強くて。自分も身長が高くないので、甲斐選手のキャッチングとかスローイングとかを真似していきたいと思います」

 小柄ながら強肩という二人の明確な共通点が分かる。

[page_break:捕手として成長を続ける金良]

捕手として成長を続ける金良

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キャッチボールをする金良 涼介(沖縄水産)

 金良のスローイングに魅せられて、捕手として抜擢した上原監督は、
 「リードとかキャッチングとか、ワンバウンドを止めるとか、チームをまとめるとかは後からついてくるだろうと思っています」
 と話し、金良は上原監督の思い描くように、着実に成長してきている。

 金良とバッテリーを組む上原一帆投手は、
 「ピンチとか緊張するんですけど、 金良が声かけてくれたり励ましたりとか、力強く行くところははっきり言ったり、悪い所は的確に指摘してくれるので、自分の中では助かっています」
 と金良に全幅の信頼を寄せる。

 金良自身も、そんな上原と、もう一人のタイプの違う投手、國吉吹をリードしながら
 「(上原)一帆は、スライダーがいいので、スライダーで三振が取れるまでどう配球するのかというのが楽しくて。(國吉)吹は勢いのあるストレートでどう抑えるのかというのがあって、そこが楽しいです」
 と楽しみながらも、リードの幅を着実に増やしていっているのが分かる。

 そんな成長を、上原監督も感じ取っている。
 「ピッチャーを乗せたりおだてたり叱咤したり、色々と成長してきたなぁと思います」

 金良は、スローイング以外も着実に成長を見せている。

 「九州大会で、負けて帰ってきて、悔しい思いをしているので、2019年こそは絶対夏の[stadium]甲子園[/stadium]を掴み取りたいです。古豪復活と言われていますが、[stadium]甲子園[/stadium]に出て初めて古豪復活なので、甲子園を意識しながら練習から強気に緊張感を持って取り組んでいます。冬トレもがんばって、身体を大きくして、夏は圧倒的な差で勝ちたいです」

 とさらなるパワーアップを誓った金良選手。最後の夏へむけ、金良の成長に期待するとともに、金良キャノンにも注目していきたい。

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取材後記
「小学生の運動会の時、低学年のかけっこがあるじゃないですか、その時、自分と同じ足の速さぐらいの人と走ったんです。その子だけには絶対負けたくないと思って力が入りすぎて途中で転んだりして悔しい思いをしました」
取材中“負けず嫌い”の話になった時に金良が話してくれたエピソードである。言葉を選びながら大人びた受け答えの中にも、クスッとさせる話も出来る。これも金良の魅力の一つだと思う。

文=田中 実

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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